医療機ビジネスのIT化は医療機器製造販売業に何をもたらすのか?
医療機器のIT化は今や急務の状況。
医療機器をデジタルネットワークでつないだり、
インターネットによって遠隔地料や診断を可能にしたり、
AIを搭載したりIOT技術を発展させたりと、その発展はとどまるところを知りません。
しかし、一方で、その変化は医療機器製造販売業にどういった影響を与えることになるのでしょうか。
そこで、今回は医療機ビジネスのIT化について考えてみたいと思います。
医療機器はITによって進化する
もうこれは避けようのない現状です。
というよりも現在すでにこの傾向は強くなっていて、
デジタル技術をいかにうまく医療機器に取り入れるのかというのが、
特に大手医療機器メーカーにとっては急務となっています。
しかも今後はこの発展がAIに到達するのも時間の問題。
現状AIの技術に関しては、医療のように命に直結するものに応用することに懸念を感じる人も多くいるのですが、
それも、解消される日は近いと考えられています。
また、医者の持つデータをビックデータとして管理すると言った情報集積の分野も医療技術の進歩への貢献度の高さから期待されています。
つまり、これからの医療機器業界に、
もはやITは不可欠であり、発展の鍵と言えるのです。
医療機器製造販売業にとってどういう未来があるのか
では、このIT化が医療機器製造販売業にどう影響するのか見ていきましょう。
コンピュータープログラムは単体で医療機器に含まれる
医療機器にコンピュータープログラムが単体で含まれることをご存知ですか?
つまり、医療機器を動かしために医療機器というハードとプログラムというソフトの両者を製造して初めて医療機器とみなされるのではなく、
プログラムだけでも医療機器になるということ。
言い換えれば、
プログラム単体を製造もしくは販売するにも医療機器の業許可が必要だということなんです。
これまで工業製品の趣が強かった医療機器にプログラム単体が入ることによって、
その管理はよりデジタル技術に特化したものに変わっていくと言ってもいいでしょう。
SEの確保が鍵になる
となると、医療機器製造販売業において必要となる人材がSE。
つまり、プログラムに関して一定の知識とスキルを持ち、
管理運営に関してしっかりとしたコントロールができる人材というのが必要になってくるというわけです。
しかも、その質も量(人数)も、今後アップすることはあってもダウンすることはありません。
単体のプログラムはもちろん、
ひとつの医療機器に様々なプログラムが複数組み込まれているようなことも当たり前に存在する以上、そこには大きな役割が期待されるのです。
薬機法等の改正に注意が必要になる
IT技術の進歩は他のどんな技術の進歩よりも早く画期的です。
つまりそれは言いかえるならば、どんどんとすごい速度で時代遅れを作り出していくということでもあり、
それは、薬機法やISO13485などが対応するために変化の速度をあげるということでもあります。
ですので、常にこれに対応していくということが必要になってくるでしょう。
正直、日本はこの変化への対応が遅いのです。
私自身はそれがとても気になっています。
米国では、AppleやGoogleが医療機器や健康管理業界に参加しようとしています。
しかし、日本では薬機法上の規制が強すぎて、
IT機器メーカーが医療機器を開発して販売するのはとても高いハードルを越えなければなりません。
時間が掛かりすぎて、資金力のないメーカーでは不可能です。
とくにその分野の医療機器をメインに扱う場合には、注意が必要です。
医療機器のIT化は業界の繁栄につながる
医療機器製造販売業はもちろんのこと、医療のIT化は医療機器業界にとってはプラスです。
IT技術はその特徴に多様性という物があるため、新しいイノベーションを生みやすく、需要の獲得も比較的簡単な分野でもあるのです。
また、異業種の流入も今後激化することは間違いありません。
と言うよりも、他業界の積極的な参入が必要なのです。
それこそLINEなどのSNSがすでに医療の分野に進出していますから、
IT技術により考えもしない分野がそこに参入してくることは間違いなく、
それは業界全体にとってプラスでしかありません。
それこそ、プログラムなどは一個人でもできるもの。
そう考えれば、医療機器業界はこれから大きくその姿を変え、さらなる発展が期待できると言えますよね。