ISO13485 品質マニュアルを理解する 経営者のコミットメント 5.1
要求事項
トップマネジメントは,品質マネジメントシステムの構築及び実絡、並びにその有効性の維持に対するコミットメントの証拠を次によって示す。
a) 適用される規制要求事項を満たすことは当然のこととして、顧客要求事項を満たすことの重要性を組織内に周知する。
b) 品質方針を設定する。以下略
全部引用したいのですが、著作権の問題があるので出来ません。
いずれにしても、13485を取得するのであれば、規格の本は購入して下さい。
この項で言っていること
ここで言っていることは、経営者の責任として経営者は品質マネジメントを維持管理するために、
何をコミットメントしなければならないか、と言うことです。
規格では経営者に以下の責任を求めています。
ISO 13485の品質マニュアルに沿って組織を運営すること。
品質マニュアルtの有効性を保つこと。
有効性を保つために仕組みを改善すること。
これらに対し、経営者は責任を持ってコミットメントしなければなりません。
そして、そのために何をするのか?
具体的に求めているのは以下の事項です。
- 社員が顧客からの要求事項を守る意識を持たせること
- 社員に順法精神を持たせること
- 品質方針を決め、社員に定着させること
- 品質目標を定め、全員が目標達成のため業務を行うこと
- 経営者本人が業務のチェックを行うこと(マネジメントレビュー)
- 必要な人や設備などのリソースを用意すること
- これらが求められています。
また、特にマネジメントレビューは重要です。
社員は、経営者に対し事実を伝え経営者は、受け取ったデータから、
次の改善策を考えなければなりません。
目的
この項では、品質マニュアルに従った、品質マネジメントシステムを確立し、
維持するためにトップマネジメントは何をするべきかを明確にしています。
さらに、トップマネジメントが責任をもつ具体的な活動も明確にしています。
何をするべきか
ISO 13485マニュアルの言うトップマネジメントととは、必ずしも個人ではありません。
変な話ですが、グループもトップマネジメントということになっています。
まあ、経営陣というイメージでしょうか?
トップマネジメントは、権限を委任し、組織内の資源を提供する権限を持ちます。
品質マネジメントシステムが大企業の一部(例えば,大企業の事業部門又は部門)のみをカバーする場合は、部門長がトップマネジメントです。
品質マネジメントシステム下で大きな事業体のその部分を指揮し管理する個人がトップマネジメントということです。
トップマネジメントのコミットメントの結果として、
品質マネジメントシステムが有効であることを確実にすることが求められます。
トップマネジメントは意思決定を行います。
さらに、以下のことがトップマネジメントの責任で行われます。
アクションを承認し、組織の優先順位を設定し、
最終的には製品の品質に責任を持ちます。
さらにトップマネジメントは、効果的なQMSを実装するために必要な資源を管理しなければなりません。
トップマネジメントを構成するポジションと割り当てられた責任を定義し、文書化する必要があります。
この文書は、組織図の形式や職務記述書で表すのが一般的です。
組織図には、役職だけではなく役割を明記した方が良いと思います。
品質マネジメントシステムを有効にするため、
最初に設定すべきは品質方針です。
これはトップマネジメントが自ら考え決めて下さい。
次に、品質方針に沿った、品質目標を立てます。
これは測定可能な目標が良いとされています。
ですから、どうしても数値目標になりやすいです。
しかし、数値目標を立てろとは書いてありません。
私のコンサルティング先では「今期の目標:ISO 13485の取得」と決めたところもありました。
これも測定可能です。
もちろん、およそ10ヶ月で取得できました。
品質マネジメントシステムに関係するメンバー、
スタッフの教育訓練を行うこともトップマネジメントの責任です。
また、必要な資源の割り当ても行い、
品質マネジメントシステムを組織に定着させることが求められます。
品質マネジメントシステムを定期的にレビューし(マネジメントレビューのこと)、
意思決定、行動、必要な資源の提供を行わなければなりません。
こう書くと、経営者はやることが多くて大変だと思うかもしれません。
その通りですが、実務を行う訳ではないので実際には頭の中で働くだけです。
マネジメントレビューのインプットには、
売上げや利益率、稼働率、不良率、クレーム件数なども入れましょう。
売上げや利益は不要という審査員がときどきいますが、中小企業にとってはとても重要です。
会社が倒産しては、品質マネジメントシステムもありません。
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