ISO13485 品質マニュアルを理解する 責任、権限及びコミュニケーション 5.5
ISO13485 品質マニュアルを理解する 責任及び権限 5.5.1
ISO13485 品質マニュアルを理解する 管理責任社 5.5.2
ISO13485 品質マニュアルを理解する 内部コミュニケーション 5.5.3
今回は5.5 の中の3つの項を纏めて解説します。
要求事項
5.5.1 責任及び権限
トップマネジメントは、責任及び権限が定められ,文書化され、組織全体に周知されていることを確実にする
後半略
5.4.2 管理責任者
トップマネジメントは、管理層の中から管理責任者を任命する。
管理責任者は,与えられている他の責任と関わりなく次の責任及び権限をもつ。
後半略
5.5.3 内部コミュニケーション
トップマネジメントは、
組織内にコミュニケーションのための適切なプロセスが確立されることを確実にする。後半略
全部引用したいのですが、著作権の問題があるので出来ません。
途中3つの項目を略しています。
いずれにしても、13485を取得するのであれば、規格の本は購入して下さい。
この項で言っていること
5.5 は経営者が組織の運営に関わることを述べています。
5.5.1 責任と権限
経営者は、社員の責任分担、及び判断を任せる範囲を決めなければなりません。
また、決めた内容を文書で定め、社員全員に周知させる必要があります。
経営者は、品質に関わる仕事をする社員が、
組織の中でどのような相互関係にあるかを明確にしなければなりません。
また、このような社員が、
任務の遂行に必要な独立性を確保することが重要です。
5.5.2 管理責任者
経営者は、会社の管理者の中から品質に関する管理責任者を任命しなければなりません。
管理者は他の業務と兼務で構いませんが、
兼務している他の業務によって品質上の影響を受けないようにしなければなりません。
管理者の役割は次の通りです。
- 品質マネジメントシステムについて、必要なプロセスを文書化し、全員に周知させる
- 品質マネジメントシステムの有効性及び改善の必要性に関して経営者に報告することが求められます
- 社員全員に渡って、規制要求事項や法令遵守に対する意識を高める必要があります
5.5.3 社内コミュニケーション
経営者は、社内のコミュニケーションが正しくスムーズな仕組みになっていることを確実にしなければなりません。
また、品質に関わる仕事(品質マネジメントシステム)についての情報を、正しくやり取りできるようにすることが求められます。
註:これはとても重要です。どんな仕組みを作っても社内のコミュニケーションがスムーズになっていないとその仕組みは上手く機能しません。
品質、安全、環境と規格は色々ありますが、なにを目的にした活動でもコミュニケーションが出来ていないと形だけの仕組みになってしまいます。
目的
5.5.1 では、経営者が品質に影響を及ぼす役割や権限を明確にし、
それらの役割や相互関係を文書化することを求めています。
5.5.2 では、経営者が任命した管理責任者の職責を明確にしています。
また、管理責任者が実施すべき職務に関しても明確にしています。
5.5.3 では、経営者が品質マネジメントシステムの要求事項と有効性を確実にするためにスムーズなコミュニケーションの仕組みを確実にすることが求められています。
何をするべきか:5.4.1
5.5.1では、先ず経営者の権限を定め、そこから組織の末端まで職務と責任を明確にすなければならないと要求しています。
まあ、当然ですが、最終責任は経営者にあります。
経営者が組織内のメンバーに対し、どんな仕事をどこまで責任を持たせ実施するべきか決めるのは当然のことです。
経営者が権限の定義に取り組むために、考慮すべきインプットは以下のような事項です。
- 任命された役割と責任に必要な力量はあるか
- 特定の役割の場合、その指定を満たす規制要求事項には何があるのか
- 必要な資格を有しているか
- これまでの実績や評価はどうなっているのか
- 組織の構造は適正であるか
- 相互作用によって他の部署や部門に悪影響はないか
なでどです。
5.5.2では、経営者が管理職の中から品質マネジメントシステムに関する管理責任者を任命することを求めています。
注意すべきは、管理責任者が他の責務を担う場合、
これらの責務とQMSに関連する責任との間に利益相反が生じないように配慮してください。
5.5.3では、品質マネジメントシステムが、健全に機能するために、オープンでアクティブなコミュニケーションが不可欠であると言っています。
そのため、経営者は会社内の人々が品質マネジメントシステムの有効性に関する事項について、
コミュニケートできる仕組みを作ることを求めています。
健全なコミュニケーションは、組織の方向性を示すよう双方向に進むべきです。
メンバーが質問をし、
QMSの改善について提案することができる仕組みになっていることが理想です。
品質マネジメントシステムの一部は、包括的、抽象的な要素を含んでいます。
そのため、一部のメンバーには分かり難い情報もあります。
しかし、それらの情報も受け取った要員が理解できるように提供されなければなりません。
一般的なコミュニケーション方法の例として次があげられます。
- 伝言板
- 従業員会議(質問と回答を含む)
- フォーカスグループ
- 従業員アンケートと調査結果
- 提案ボックス
- 品質アラート
- ウェブサイト,テキスト,電子メール
- 様々なクラウド上のコミュニケーションツール
- ハードコピーによる情報回覧
組織内の様々な活動又は職務に精通している担当者は、内部コミュニケーションを円滑に進めることができます。
そのようなメンバーを積極的に活用しましょう。
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