ISO13485 品質マニュアルを理解する マネジメントレビュー 5.6
ISO13485 品質マニュアルを理解する 一般 5.6.1
ISO13485 品質マニュアルを理解する マネジメントレビューへのインプット 5.6.2
ISO13485 品質マニュアルを理解する マネジメントレビューへからのアウトプット 5.6.3
今回で5章は終わりです。
要求事項
5.6.1 一般
組織は、マネジメントレビューの手順を文書化する。
トップマネジメントは,組織の品質マネジメントシステムが、引き続き適切で妥当で、
かつ、有効であることを確実にするために,あらかじめ定め、文書化した間隔で品質マネジメントシステムをレビューする。後半略
5.6.2 マネジメントレビューへのインプット
マネジメントレビューヘのインプットには、次からの情報を含むが、これに限らない。
a) フイードバック
b) 苦情処理以下略
5.6.3 マネジメントレビューからのアウトプット
マネジメントレビューからのアウトプツトには記録し(4。2.5参照)、
レビューされたインプット及び次に関する決定及び処置を含める。以下略
全部引用したいのですが、著作権の問題があるので出来ません。
途中3つの項目を略しています。
いずれにしても、13485を取得するのであれば、規格の本は購入して下さい。
この項で言っていること
5.6.1 マネジメントレビューの概要あるいは目的
経営者は、業務内容の結果に目を通し、確認して次の指示を与える。
また、そのためのマネジメントレビューは、実施のルールを定め実施間隔なども文書で定めること。
経営者は、以下の観点で業務の結果を評価すること
- ルールは実態とかけ離れていないか
- 品質を確保する上で必要なことが漏れていないか
- 良い結果は出ているか
- 良い結果に繋がらない場合、原因は把握できているか
- PDCAは上手く廻っているか
- 品質方針や品質目標を変更する必要はあるか
5.6.2 マネジメントレビューでの経営者に対する報告
- 顧客の反響、アンケート結果、市販後安全情報
- 発生したクレームとその対策
- 行政に報告したこと
- 内部監査の結果。審査機関、行政、顧客などによって行われた監査(審査)の結果
- 仕事がうまく進んでいるか
- 製品の品質(不良品の発生状況、不良率など)
- 実施した是正処置(再発防止対策)の結果
- 実施した予防処置(未然防止)の結果
- 以前のマネジメントレビューで決ったことがどうなったか
- 仕事のやり方を良くするための提案
- 新しい法令上の決まりまたはその変更
- 機械の稼働率
- 工場の売上げや利益率
上記の内容に関してマネジメントレビューの場で経営者に報告する
5.6.3 マネジメントレビュー後の経営者からの指示
マネジメントレビューの結果は記録として残すこと
その際、インプットは何であったか、そしてどんな指示がでたのか
また、その結果はどうなったのか
これらを記録すること。
経営者は、次のような視点で指示を行うこと。
仕事が正しく行われ良い結果に結びつくように、仕事のやり方を改善する。
顧客と約束した品質を確保するために製品を改良する。
新たな法律や、改正された法律に対応するために、仕組みを変更する。
品質に関わる活動に必要な資源(要員、施設、設備、技術など)を用意することの指示。
目的
5.6.1 では、マネジメントレビューのプロセスを明確にします。
マネジメントレビューでは、品質マネジメントシステムに関する弱点を改善するために適切な手段を講じます。
そのため、規格では、会社の経営者が定期的にマネジメントレビューを実施することを求めています。
マネジメントレビューには、品質方針及び品質目標の見直しも含まれます。
5.6.2 では、マネジメントレビューのインプットのリストを展開、更新、明確化しています。
インプットデータは、品質マネジメントシステムと製品を維持し改善するために必要なデータでなければなりません。
5.6.3 では、品質マネジメントシステムを改善するために必要な、
経営者からの指示がマネジメントレビューのアウトプットであると明確化しています。
6.2 と6.3 はマネジメントレビューのインプットとアウトプットです。
マネジメントレビューは、会社を改善していくための重要なプロセスです。
そのプロセスに対するインプットデータを決め、経営者は、そこから何をアウトプットするべきか、この項ではそれが決められます。
何をするべきか:5.4.1
5.6.1
マネジメントレビューのプロセスの要求事項は、文書化された手順に記載しなければなりません。
典型的なプロセスは、管理責任者が品質マネジメントシステムから計画された間隔でデータを収集することです。
最低でも、5.6.2 のリストの項目をカバーする必要があります。
また、経営者は、品質マネジメントシステムが組織の目的に適切かつ継続的に適用されるように会社の品質方針を見直すことも求められます。
5.6.2
マネジメントレビューへのインプットデータの明確化を求めています。
規格の中では12項の情報を指定していますが、これだけで良いと言っている訳ではありません。
「次からの情報を含むが、これに限らない。」とあります。
ですから、機械の稼働率や工程内不良率などもマネジメントレビューへのインプットに入れる方が良いと思います。
また、経営者は「こんなデータが欲しい」、とか「このデータは〇がおかしいのではないか?」と現場の管理者に求めて良いと思います。
例えばマネジメントレビューの中で、内部監査のプロセスを経営者が審査するとき以下のような質問が考えれられます。
- 全てのQMS,規制及びその他の要求事項が適切に文書化されているか?
- これらの要求事項が遵守されているという証拠はあるか?
- 品質目標を達成したか?
- 改善の機会を特定したか?
- 私たちのフィードパックメカニズムは何を示唆しているか?
- このQMSプロセスの不適合又は改善領域を内部監査又は外部監査で特定したか?
- 不適合があるか?
- QMSプロセスの是正処置又は予防処置のステータスはどのくらいか?
- 前回のマネジメントレビューのフォローアップはあるか?
- QMSプロセスに影響を及ぼすか,その可能性のある変更があったかっ
- QMSプロセスに影響を与える可能性のある新しい又は改定された規制要求事項はあるか?
- QMSプロセスをサポートするのに十分な資源があるか?
このような質問を発することで、経営者は見通しのよい組織を維持することが出来るでしょう。
5.6.3
マネジメントレビューからのアウトプットは記録され維持されなければなりません。
通常は、議事録として管理されるはずです。
記録される項目としては以下のような項目が考えられます。
- マネジメントレビューの日付
- トップマネジメントを含むマネジメントレビューに参加する人,又はトップマネジメントを代表する代表者及びその他の必要な参加者
- QMSに関する5.6.2に記載されたインプットによって提供された情報のレビューの要約
- 決定及び実施すべき処置
- QMSとそのプロセスを改善する
- 顧客要求事項を考慮して製品を改善する
- 新規又は改定された規制要求事項に関連する変更を実施する
- QMSを実施し,その有効性を維持するために必要な資源を決定する
- 適用される規制要求事項及び顧客要求事項(6.1)を満足している
- とるべき処置の責任者として指名された要員(5.5.1)及びこれらの処置の目標完了日(5.4.1)
- マネジメントレビュー記録の承認
- マネジメントレビューの記録の配布記録
- 品質マネジメントシステムの適切性、妥当性及び有効性に関する声明
- 次回のマネジメントレビューの予定された間隔
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