医療機器参入の難しさと対策をシンプルにまとめる
医療機器業界は宝の山。
これは実は大げさな話ではないのですが、だからといって中々手が出しにくい背景には、
医療機器業界特有の参入障壁があることは周知の事実です。
これまでも様々な形でその障壁の存在と打開策は提示されてきましたが、
ここで一度その障壁と参入へ向けての糸口をまとめてみようと思います。
できるだけシンプルな、医療業界参入へ向けての障壁とその糸口についてです。
参入障壁① 競争の激しさ
医療機器業界は国内外合わせて激しい競争にさらされる業界です。
医療機器に携わる企業は無数にある
医療機器を自社ブランドで販売している企業の総数は、現在約2500社にあります。
当然これは自社分ランドを構築できる規模の医療機器製造販売業社の数ということになり、
この製造販売業者の委託を受ける製造業者に至っては、なんと約4000社存在します。
更に、この製造業者の委託先、つまり下受けの部品業者はこの中には含まれていません。
一般的に医療機器業界へ中小の製造業者が参入するのは、
この部品業者が主な場所になりますからその競争の激しさは苛烈なものです。
求められるのはオリジナリティー
ここで求められるのは差別化、つまりオリジナリティーです。
特に、収益性の高いオリジナリティーというものは、
競争の激しい業界においては珍重され、逆に大きな利益を生む要素となります。
他とは違うものが作れる、他にはない技術が存在する。
こういった、オンリーワンの価値観は、
競争の激しい業界だからこそ力を持つものなのです。
町工場の職人技
つまり、このオリジナリティーこそが、町工場の職人技にまで昇華された技術です。
機械では削れないレベルまで削ることができる、
加工しにくい金属を加工できる、耐久性の高い精密部品を製造できるなどというものは大きな財産。
とくに、これまでは一般的な協業部品の分野で注目されてきた技術が医療機器業界には不足していることもあって、ここが大きな糸口となるのです。
参入障壁② 薬機法
次は、法律の面。
つまり薬機法による法規制です。
人命に関わるものである以上仕方のない規制
医療機器は人命に関わる機械です。
しかも、他にもたくさんあるそういったものの中でもより人名にクローズな位置にある製品ですから当然国の規制も強いものとなります。
医療機器製造に欠かせない薬機法「医薬品、医療機器等の品質、
有効性及び安全性の確保等に関する法律」はこういった側面から他よりも厳しい法律となっています。
コンサルタントなどが豊富
厄介と言っては失礼ですが、厳密な規制の上にある薬機法による法規制。
しかし、だからこそこの分野にはコンサルタントなどの、
いわゆる専門的知識をもったアドバイザーやハウトゥを与えてくれるサービスが沢山存在するのも事実。
自ら学んで実践するのもよいのですが、しっかりとした知識と運用はこういった専門家に任せるのが無難です。
専門的であるからこそ、しっかりとした投資をすることが糸口となるでしょう。
参入障壁③ マーケティングの難しさ
続いてはマーケティングの難しさです。
専門分野の商品はなんであれむずかしい
医療機器に関する記事ですから、
医療機器の製造はむずかしいと申し上げますが、それは医療機器だけではありません。
航空機関連部品であると自動車関連部品であろうと、
それこそ調理用危惧であろうと、専門分野というのはそれぞれにむずかしいものです。
特に、ニーズの把握というのは全体がニッチであればあるほど、専門的であればあるほど困難なもの。
これは何も医療機器だけの問題ではないのです。
医療機器業界は産学連携であるということ
専門分野の産業界はどれもむずかしいものだ。
これは一般的にその通りですが、ここに医療機器だけの特殊な問題があります、
それが産業の連携先が、学問分野にあたるということです。
一般に、自動車であろうと航空機であろうと連携するのは小売です。
しかし、医療機器業界が連携すべきなのは医療関係機関、
つまり医学という学問の分野に抵触するのです。
これが、いわゆる医療機器業界におけるニーズの把握をこんなにし、
簡単にマーケティングが実行できない一番の障壁です。
産「官」学の連携が望める
しかし、医療機器業界が医療にとって必須の業界である以上、その発展は不可欠。
こうなってくると、この業界には産学連携に「官」が入り込む、
産官学の連携というものが大いに行われている業界でもあるのです。
一般に官つまり公の支援を受けた業界は伸びます。
また、公による連携の促進が期待されるということは、
自自体や関連団体など多くの窓口が存在するということ。
こういった窓口こそが、その糸口となるでしょう。
医療機器業界の障壁をまとめて頭に入れておく
医療機器業界への参入を考えるとき、その障壁は一番の問題。
個別に対策を考える前に、全体像としてそのすべてをできるだけ把握し、
その対策を実行できる準備をしておくと良いでしょう。
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