賛成多数で改正薬機法が可決。その変更点とは?
2019年11月13日、
衆院厚生労働委員会で改正薬機法が可決されました。
これにより11月中に本会議での可決は濃厚で、
成立はほぼ間違いのない情勢となりました。
では、今回の改正では一体どのような結果となったのか。
ここではその内容について、迫ってみます。
改正薬機法のポイントはスピード
改正薬機法のポイントは、
医療のスピードにスポットが当てられています。
医療上特に必要な医薬品等の開発促進
これまで日本は医薬品の認可が下りにくい国として存在していました。
ほとんどの新薬がアメリカをはじめとした諸外国からもたらされることから見ても、
そも事実はゆるぎないのですが、この点に関しての改正がこれになります。
今回の改正では、希少疾病用医薬品や重篤患者に有用性の高い革新的医薬品など、
世界に先駆けて日本で開発申請するようバックアップするというものです。
条件付き早期承認
こちらも、日本の医療の現場のスピードアップにつながる改正。
条件付き早期承認は『医療上必要性が高く、
検証的臨床試験の実施が困難、
長期間を要するもの』に対して行われるもので、即座の対応を可能にするものです。
これにより、画期的な新薬などが迅速に上市され、開発研究のコストも抑えられるという特典があります。
安全性に関する担保に関しても、条件付き早期承認の条件の部分である、
承認後のリアルデータから新たな条件の付与や承認の取り消し、
正式承認の裏付けが行えることになっています。
バーコードによる迅速なトレーサビリティー
現在、医薬品、医療機器、再生医療統制品など様々な医療関係の品物があります。
こういったものに関して、末端においては、
その医薬品の製造元やその製品が本当に正規品であるかの確認に、
これまで膨大な手間と時間がかかっていました。
今回その時間を短縮するために、
製品情報のデータベースへ直結するバーコードの記載が義務化されました。
医療過誤や医療事故の防止にもつながるトレーサビリティーの時間短縮につながることで、
そういった事故の回避に期待が持てます。
世界を見つめた薬機法の改正
今回の薬機法の改正は、世界を見つめた医療ビジネスの観点が大きく反映されています。
スピード化による劣勢の転換
これまでの日本の医療業界は、そのスピード面において大きく立ち遅れていました。
研究の場においては最先端の研究がなされているにもかかわらず、
認可において時間がかかり、新薬はほとんど外来という状況が続いていたわけです。
今回は、この劣勢を譚関するべく行われた改正という面が少なからずあります。
第一義的には当然人名重視
もちろん、第一義的には人命の重視がそこにあります。
重篤な肖像を発症する病気に対する新しい医療行為を迅速に昇進することによって、
海外に行かなければ治らないなどというものは減っていくでしょう。
これまで、技術先進国であるはずの日本で当たり前に存在した「海外医療を受けるための募金」
などという残念な現状も改善されていくだろうと思われます。
とうぜんこの人命重視の姿勢がその中心です。
ビジネスにおいても大きな前進
しかし、ビジネスにおいてもこれは大きな進歩となるでしょう。
というのも、国による認可や承認というものは、
残念ながら営業努力や企業努力でどうにかなる問題ではないからです。
同質同種のものを販売するとき、これは医療関係製品でなくとも、
そのスピードというのは大きなメリットになりますし、出遅れはどんなに良くても2番煎じです。
このような現状で立ち遅れていた日本の医療関係製品、
つまり医薬品や医療機器の業界にとっては、かなりのプラスになります。
安全性というメイドインジャパンの利点
また世界に先駆けてのトレーサビリティーの徹底も、
今後のビジネスにおいてはプラス。
日本製、つまりメイドインジャパンの戦う場所は、
アメリカの大量生産でもアジアの低価格路線でもなく安全性や品質の安定性だとすれば、
大きなプラスであることは明らか。
日本製であることのメリットが保証されれば、
世界に対しての大きなメリットです。
今後の課題
今回、ネット回線による医薬品の説明や添付文書の電子などが行われました。
しかし、やはりまだネットを介して行う様々な医療行為や、
ネットを利用した取り組みというのが後手に回っている感は否めません。
この先5G世代への対応は急務ですし、
AIによる様々な社会の変革は大きなものとなるでしょう。
いかに医療の現場での様々な行為が迅速化されても法整備の迅速化は簡単に出来るものではありません。
AIや5GといったIT分野ではアメリカや中国が先端を担っていることもあって、
法整備を含めた様々な観点によって、医療のIT化の先鋭性は重要。
将来の医療を、人名は当然ですが、もっとビジネス的な観点で見直した場合、
日本が中国やアメリカとどこまで対等にやっていけるのか、
その他へのビジョンはどうするべきなのか。
そう言ったポイントが今後の課題となるでしょう。
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