医療機器のIT革命


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医療機器のIT革命:医療のAI化で開ける民間参入の明るい未来

2000年代初頭、世界にはIT革命という言葉がありました。

ITとはインフォメーションテクノロジーのことで、いわゆる情報化技術と訳されるものですが、
簡単に言えばネット化された社会革命の事を言います。

そして、それは、間違いなく社会に大きなインパクトを与え、いまの社会を形作った出来事です。

現在、そのIT革命と同じようなインパクトを持った出来事が医療機器業界に起こっています。

それが、いわゆる医療のAI化というもので、今後の社会を形成していく要素として、
もはや避けることのできない事実として存在しているものです。

そしてその医療のAI化こそ、医療の世界におけるIT革命となり得るものなのです。

IT革命は社会に何をもたらしたのか

ではまず、IT革命が社会に何をもたらしたのかを見ていきましょう。

一般と専門のボーダレス化

まず、IT革命が起こした最も大きな変化は、一般と専門のボーダレス化。

これまで、社会というものの中枢には専門家という大きな個の集団があり、
その動き自体が社会を動かしてきました。

たとえばマスコミです。

IT革命以前の社会というのは、マスコミが流す情報のみを受け取って、
その情報だけを基準にして変革してきたといっても過言ではありません。

しかし、IT革命後、情報という大きな分野は一般の人の手に渡ったのです。

誰でも社会に対して発信し、誰でも世の中に物申すことのできる社会は、
マスコミを形骸化し一般人が報道という専門分野へ踏み込むきっかけとなりました。

逆に、アメリカ大統領ですら個人としてTwitterで意見を言うようにさえなった。

これこそまさに、一般と専門のボーダレス化です。

個の力の増大

IT革命がもたらしたものの中には、個の力の増大というものがあります。

たとえば、これまで世の中の変革に欠かせないような製品や物品というものは、
大手企業などの企業体によってもたらされるものでした。

しかし、IT革命後の社会では、その企業体と対抗しうる力を個人が得ることになったのです。

たとえば、Facebookの創始者であるザッカーバーグは、
そのFacebookの開発においてもリリースにおいても、
どこかの企業体を頼ってそれを成したわけではありません。

それは彼自身の発想と能力という圧倒的な個の力によってなされたのです。

つまり、一般と専門性の間のボーダーがなくなっただけではなく、
専門的な知識を持った人間の立場の違いにもボーダレスが進んだというわけです。

もはや、○○商事所属という肩書は意味をなさなくなりつつあります。

徹底したローコスト化現象

IT革命がもたらしたものの中でも、大きなものが徹底したローコスト化現象です。

ようは、IT化によって大きな装置や設備がなくとも、個人で仕事をしたり開発をしたり、
もしくは表現をすることが出来るようになったことでの中間コストの削減です。

ネットの発展によって、フリーランスはノートパソコン1台で仕事ができるようになりました。

開発においてもそうですし、表現の世界においても、
ユーチューバーなどはスマホ一台持っていれば世界に向けて情報発信できるのが現代です。

そこにコストの概念はほぼありません。

個人がゲームや便利アプリを作り、情報ポータルを作り、
芸術や娯楽も何のコストもなく世間に向けて発表できるようになる。

こうして、誰もが驚くほどローコストで様々なことが出来るようになった。

これこそ、IT革命の大きなポイントです。

医療のAI化はIT化と似た変化が生まれる

IT革命で起こった社会の変化、医療のAI化にも同じような出来事が起こると考えられます。

AIが医療の専門性を奪う

医療のAI化が始まると、そこに生まれてくるのは2軸の専門性です。

まず、とうぜん医療機器なのですから、
医療という大きな専門性を持った分野特有の知識というのはあたりまえに必要になってきます。

しかし、医療従事者にとってAIは全くの専門外です。

そうなると、そこにはAIの専門性というものが入ってくるのですが、
実はAIの専門性というのは医療の専門性を食ってしまう可能性があるんですね。

なぜなら技術者ではなくAI自体が医療の専門性を獲得しうるものだからです。

これにより、医療の専門性はAIの専門性の前でボーダーを失う可能性があるんですね。

個の力による医療への介入

医療のAI化が進むと個の力が医療の世界へ侵入してくることが容易に考えられます。

というのも、AIの根幹は簡単に言えばコンピュータープログラムなのですから、
何をするにも個人のプログラマーの能力によって形成される世界です。

となれば、そこに介在するのはプログラマーの個の力です。

さらには、医療のAI化が進むと汎用性の高いプログラムがその中心となるので、
プログラマーですらない一般人がそのプログラムによって創造性を発揮しうる状態が生まれます。

つまり、その使い方や利用方法のアイデアというのは一般人の発想で十分足りるというわけです。

そうなれば、個の力が医療機器に大きな進展をもたらす可能性が生まれ、
企業体に属していなくても、また大企業でなくとも、イノベーションがもたらされる可能性がうまれてくるのです。

医療のAI化によるローコスト化

医療機器に参入する、となると、そこには大きな設備投資が必要になります。

しかし、医療機器のジャンルにおいてAI化が進んでいくと、
医療機器に参画できる分野にプログラミングが入ることになりますので、そこにコストはほとんど存在しません。

しかも、医療機器の開発においても、やはり同じようにローコスト化が進むと考えていいでしょう。

小さな事務所の必要性すらなく、
たった一台のパソコンを手に医療機器業界に進出する……などということも不可能どころか、普通にあり得る話なのです。

じっさい、スマホ用ヘルスケアアプリであれば、
個人の手によって苦も無く作り上げることは可能です。

そして、同様に、そこのコストの概念はありません。

医療機器はより参入しやすい分野に変わる

医療機器から専門性が失われ、ボーダレスが進行する。

これは言い換えれば、医療機器という分野が一般に開放される、
もしくは業界の障壁が崩壊することを意味します。

もちろんそこには行許可など国の定めたボーダーはあります。

しかし、それを超えてしまった先にあるのは、
個の力で大手企業と戦うことすら可能な新しい医療機器の概念の世界。

さらに言えば、むしろ大企業でない方が自由な発想によってイノベーションを起こしやすい世界です。

そこは、もはや参入を呼びかけなくとも参入の進む世界。

ある程度の技術と設備を持っているならば、
飛び込むことを躊躇する時間がもったいない、そう思えるようなフロンティアです。

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