医療機器って何
医療機器の定義は法律で定められています。
以下は、日本の法律ですから、当然外国では異なります。
まあ、日本で医療機器を製造販売するなら、
日本の法律を理解すればよいと思います。
医療機器とは、人若しくは動物の疾病の診断、
治療若しくは予防に使用されること、
又は人若しくは動物の身体の構造若しくは機能に影響を及ぼすことが目的とされている機械器具等であって、
政令で定めるものをいう。
薬機法第2条第4項
重要なことは
- 人若しくは動物の疾病の診断、治療若しくは予防に使用されること
- 人若しくは動物の身体の構造若しくは機能に影響を及ぼすこと
- 政令で定めるものをいう
この3つです。
時々、間違われるのですが、
健康器具や運動器具と呼ばれるトレーニングマシン、
フィットネス用具などは医療機器には該当しないのです。
しかし、マッサージチェアは、医療機器に該当します。
また、身近なところでは、眼鏡は医療機器です。
以下は、光学機器メーカーの社長が講演で話していた内容です。
カメラは複雑な機械で、電子部品やレンズ、マイコンまで入っている。
眼鏡はレンズと主に金属や樹脂の素材だけでできている。
しかし、眼鏡の値段はカメラと同じか、それ以上高い値段で売れている。
これは、不合理だとふごうりだではないか?
カメラはもっと高い値段で売って良いのだ!
おっしゃるとおりです。
最後は多分願望でしょう。
とは言え、価格は市場の原理で決まります。
それに、昭和25~40年代ぐらいは、
カメラも高価格でした。
そして、眼鏡が高い理由は、
眼鏡は医療機器でカメラは医療機器ではないと言うことです。
アイスの棒
もう一つ例を挙げましょう。
アイスキャンデーは、
主に木で作られた平たい棒にシロップの入った水を型に入れて凍らせたお菓子です。
あの棒は数円で作られています。
あの平たい棒と同じようなものを病院で見たことがあると思います。
私は苦手ですが、「舌圧子」と呼ばれる医療機器です。
医師は、あれで患者の下を抑えて喉の奥を診る訳です。
そのとき「おえっ!」てなりますよね?
私は特にそうなりやすいのですが、
これを書いているだけで思い出してこみ上げてきます。
あれは、金属のものでは3000円、
樹脂製のものでは500~800円ぐらいします。
金属のものは使い捨てではありませんから、
今はほとんど使われていません。
樹脂製のものは、使い捨てです。
つまりアイスの棒と同じです。
これもどうしてそんなに価格が異なるのでしょうか?
一言で言うと、
医療機器だからです。
アイスの棒だって、殺菌されています。
しかし、特に注意深く管理されている訳ではありません。
私は長年医療機器の部品や製品を作ってきました
金属がメインですが、樹脂製もあります。
体の中に入るモノが多かったので、全体に小物部品・製品です。
材料は、高額なSUS316Lやチタン合金もありました。
しかし、使う量がわずかなので材料費はしれています。
付加価値の方が遙かに大きいのです。
5,000万円ぐらいの工作機械で40分~1時間切削加工したステンレスの部品は、
1万円ぐらいの売り単価になります。
材料費は100円~200円程度です。
ただし、数は多く出ません。
せいぜい、100個~150個です。
もっと多いと、製品単価も下がります。
機械加工を行っている方なら、これが良い単価であることは分かると思います。
5,000万円の機械をリースにした場合、
月額の支払いは70万円ぐらいです。
補助金を使って、
買いと売りで入れれば費用は半分ですむのです。
月に300時間稼働させて、
200万円の売上げになれば、人件費を合わせて利益が出ます。
また、通常オートワークチェンジャーを付けますから作業者が付きっきりになることもありません。
機械が自動で動いているときは、別の作業ができるのです。
医療機器には様々な規制があります
話を戻します、
薬機法がその根本ですが、
それはインチキな医療機器を勝手に作って、
勝手に上市されることがないようにするためです。
ですから、ある程度の規制は仕方がありません。
使う側の立場なら理解できるはずです。
また、厳しい規制と言っても。製造業は登録制になりました。
ある程度、薬機法を理解して、書類を揃えて持って行けば2~3週間で登録完了です。
ただし、製造業登録では医療機器を販売することはできません。
前回も書きましたが、医療機器メーカーで部品を作りながら医療機器の製造になれて下さい。
そして、製造業の登録後は、
自分たちの医療機器を開発しましょう。
さらに、次の段階で医療機器製造販売業の許可を取得して下さい。
これは、少しハードルが高いです。
要求される文書類も格段に増えます。
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