誰だって病気になりたくない! そのためには予防医療
医療機器業界の躍進について考える時、
忘れてはならないのが「予防医療」。
今、日本の医療の分野において、病気を治す、
もしくは病気を悪化させないようにするという「治療」の分野は、
これまで通り活況を呈すると考えても問題ありません。
そんななか、医療機器分野にさらなるブーストとなりうるのがこの予防医療です。
そしてこれも、医療費の抑制という、
ひと目見た限りでは医療機器業界にとってはマイナスになりそうな状況から生まれてきているものなんです。
もっとも医療費を抑えるには病気にならないこと
医療費の軽減を考えた説き、その方法はたくさんあります。
例えば薬剤投与の量を減らすですとかジェネリックに切り替えるですとか、
不要不急の治療はしない、どこも悪くないのに惰性で病院に通わないなど色々です。
「今日〇〇さん来てないね」「ああ、体調悪いらしいよ」
なんて、お年寄りが病院の待合室で語るような状況の打破というのがひとつあるでしょう。
しかし、医療費の軽減という観点でもっと効果があるのが「病気にならない」つまり、
そもそも「病院に行かない」というのが大きなポイントとなるわけです。
そしてこれこそが予防医療の出発点です。
予防医療で医療機器分野がどう潤うのか
病気にならないようにする。
病気になってこそ意味のある医療機器にとって、
あまり良くなさそうな予防医療ですが、実はこれが重要な+要素となってくるのです。
予防医療用の医療機器の発達
まず大きなポイントが、予防医療用の医療機器です。
医療機器と言うと一般に大きな機械を想像しがちですが、
それこそマスクやガーゼと言ったものも医療機器ですので、その種類は多種多様です。
つまり、病気にならないために家庭で使うものにも医療機器は存在します。
例えば、自宅で使用できる血圧計などもその一つです。
また、大きな病気にかからないようにクリニックに通ったり、
病院で様々な医療行為を受ける人というのも今後増えてくるでしょう。
となれば、そこにとうぜん医療機器は必要となります。
しかも、これまでいわゆるメインの存在でなかった予防のための医療機器も変わってきます。
これまで未開発の領域ですから、
改良や改善の幅が大きな分野です。
新しいニーズや新しい発想による画期的な新商品。
それこそ医療機器業界でムーブメントを起こすような新発想の予防医療機器というのも、
今後出てくることでしょう。
早期発見も予防医療のひとつ
また、大きな病気を小さなうちに見つける早期発見も予防医療のうちのひとつ。
これまで早期発見早期治療というのは、まるでガンの代名詞のように使われてきた言葉ですが、
これがすべての病気に共通することであると徐々に世の中に広がってきています。
その結果、検診や人間ドックの受診者は増えているのです。
しかも、これまでのような高額な人間ドックというよりも、
より安価な人間ドックや検診をマメに受けるという傾向がでてきているため、そこにも従来との変化が出てきます。
医療とはいえそこはサービス業の一面もあります。
世の中のニーズがより安価なものを求めるならば、
質を落とさずに従来と変わらないサービスをより安価に提供しようというのはこれは当たり前の動き。
となれば、そこにコスパ意識が芽生え、
医療機器に新しい進化を期待する動きはとうぜん出てくるというわけです。
余談になりますが、癌の発見に使われるはずの画期的医療機器をご存知ですか?
虫に犬、そして人間。多くの生物が持つ「臭い」を感じる仕組みが、がん検査に革命を起こそうとしています。
日立製作所は2017年4月、新しい仕組みのがん検査装置を試作したと発表しました。
人間の尿をシャーレに載せると、その人ががんに罹患しているか、高い確率で判断できるようなるのです。
尿の臭いを判断するのは、なんと線虫です。
詳しくは、またこんど紹介しますが、シャーレの中に線虫をいれ、
癌検診を行う人の尿を入れるだけです。
どう言う訳か分りませんが、癌の人の尿に集まる線虫が発見されました。
まもなく、実用化されますが、
検査費用も数千円。
それにしても、素晴しい発見です。
変化する業界は伸びる
これはなにも医療機器に限ったことではありませんが、
業界の変化は進歩に直結します。
しかも、特に医療機器分野に関していえば、
人間がこの世に存在する以上決して不要にはならないというお墨付きのある分野ですからなおさらです。
医療はその技術とレベルが常に進化する業種。
しかも、人口構成の変化や医療費の負担増などの政治的文化的側面からも、
医療の分野は今後大きく様変わりすることは間違いありません。
そして、医療機器分野は常に変化する医療分野のもとにあるのです。
今後の発展に関しては、
かなり旨味のある業種であることは言うまでもありません。
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