新型コロナウイルスをきっかけに診療のオンライン化が進む可能性

新型コロナウイルスをきっかけに診療のオンライン化が進む可能性

オンライン診療というものの進度は、
今のところかなり鈍化しています。

2018年に施工された診療報酬改定によりオンライン診療の診療報酬が新設、
2020年4月にはさらなる改定が予定されていますが、
今のところ大きな進展はみられていません。

しかし、今回の新型コロナウイルスの流行により、
それは変わるかもしれないと考えています。

なぜオンライン診療は進まないのか

一見便利に思えるオンライン診療。

そんなオンライン診療がなぜに進んでいないのでしょうか。

オンライン診療の現状

医療関連サービス振興会が2018年末に病院に対して行ったアンケートがあります。

その内容は2018年に厚生労働省が発表したオンライン診療の指針に対するものだったのですが、
その指針自体を知っていると答えた病院はなんと67%ほど。

オンライン診療に関しても、実施していると答えたのはたったの1.1%で、78.7%が実施の予定はないと、その予定すらないと答えています。

また日本オンライン診療研究会が2018年末~2019年頭にオンライン診療を行っている医師に対して行ったアンケートでは、
過去三か月でオンライン診療を行った医師は7割にとどまっています。

しかも、その実施した医師の中でも69%は1か月に5回未満。

またオンライン診療における診療代については。実施した医師のうち60%が算定していない、
という結果になり、オンライン診療を行っている医師でさえ、まともに活用できていないことがわかっています。

オンライン診療をしない理由は何なのか

オンライン診療を行わない理由、そのトップは「セキュリティー」にあるといわれています。

また、他にも、通信環境整備維持費の負担ですとか対面診療には及ばないという事実、
不十分な診察になる可能性など様々な理由があると考えられています。

また、その診療代に関しても、
オンライン診療で診療代として算出できる対象の縛りがきついなどといった法整備の問題もあるといわれています。

しかし何よりも、やはり環境の整備。

オンライン診療を行うには、病院側にはもちろん患者側にも通信に必要な設備が必要で、
最もこういった医療の必要性がある高齢者にその設備がないというのも大きなネック。

まさに前途は多難と言えるでしょう。

オンライン診療に対する明るい展望

しかし、やはり便利で活用の幅の広いオンライン診療。

そこには大きな希望もあるのです。

医療機器および薬品業界以外からの新規参入

これまで、医療機器業界や製薬企業が中心だったオンライン診療への取り組み。

そこに、2019年には、ソフトバンクグループやSNS大手であるLINEなどが参入し、
新しいビジネスチャンスとしてオンライン診療に携わろうとしています。

また、この流れにJ:COMも参戦。

これによって、通信系(ソフトバンク)SNS系(LINE)放送系(J:COM)と、
ITオンライン系事業を展開する各ジャンルからオンライン診療への参入が始まりました。

そこに見えるのは「オンライン診療の収益化に対する明るい見通し」です。

服薬指導という新しい側面

2019年11月の薬機法改正において、オンライン診療における服薬指導が解禁となりました。

この制度が施行されるのは、2020年11月がその予定期となっており、
診療の一つの分野として重要な一を占める服薬指導がオンラインで行えるというのは大きな進歩です。

新規参入と旧来組による競争

このように2019年末から明るい兆しを見せ始めたオンライン診療。

これまでオンライン診療に積極的に携わってきたMICIN、
メドレーと言った旧来組もまた、新しい事業の言展開などでオンライン診療に向けて積極姿勢を見せています。

また、新規組は、
オンラインの知識と資金力において大きな力を持っていることは間違いありません。

そんな中、J:COMはオンライン診療に参加する際に、
こんなコメントを残しています。

「どこかでブレークするタイミングが必ず来る」

そう、今はもはやその「タイミング」待ちなのです。

新型コロナウイルスの流行がそのタイミングとなるのか

オンライン診療が待ちわびているタイミング。

そのタイミングこそ、この新型コロナウイルスの流行なのかもしれません。

オンライン診療のメリットの盲点

オンライン診療のメリット。

それは、24時間予約受付ですとか、待ち時間がない、
完全予約制が普通なので自分の好きな時に診療を受けられる、
キャッシュレスである、など様々です。

また、遠隔地の患者が簡単に診療が受けられるというのも、大きなメリット。

しかし、そこに、そもそも病院に行くということ自体をしなくてもよい、
という根本的な事象に対して、
それを行わないメリットについて盲点のように忘れられていました。

そう、それが院内感染です。

新型コロナウイルスで注目される院内感染

新型コロナウイルスにおいては、はじめ、武漢において大勢の感染者と死者が出ました。

これには、多くの専門家が、一気に病院に患者とその他の体調不良者が押し寄せたことによる院内感染によって、

感染が爆発的に拡大したと指摘しています。

また、2月25日に発表された日本政府の指針でも、
軽度の症状での通院を自粛するよう求めています。

これには、重症患者優先といういともりますが、
それと同時にやはり院内感染により感染の拡大に対する懸念というものも大きくかかわっているといっていいでしょう。

こういう時こそオンライン診療の出番

もちろん今回の新型コロナウイルスには間に合わないでしょう。

しかし、本来こういう時こそオンライン診療が活躍するべき時であり、
もし、オンライン診療が今よりも普及していればこの新型コロナウイルスにおける対策にも違いがあったかもしれません。

少なくとも今回の件を経験したことで、
オンライン診療の必要性を強く感じる事にはなっているはずです。

そう、これこそ「タイミング」となりうる事態。

もちろん、企業側から言えばビジネスチャンスですが、これは患者側から見ても、
今後同じような未知のウイルスが流行ったときに大きな光明となる変化が起こるタイミング。

今後のオンライン診療に拍車をかける出来事かもしれないのです。

オンライン診療への対応を決めておく

医療機器業界をはじめとして医療及び医薬品業界は、
このオンライン診療の流れをもう無視は出来ません。

社会がそのニーズに気付き、需要を感じた瞬間、
すべては加速度的に動き始めます。

ですので、いち早いオンライン診療への対策と対応を、
考えておかなければいけないのです。

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