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アビガンはどうなってしまうのか②

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医療機器メーカーの工場長を23年経験しました。 本名は菊地孝仁、匠習作はペンネームです。 設計・製造・品質管理・安全管理まで経験済みです。 私自身、医療機器総括製造販売責任者、医療機器製造管理責任者の資格を有しています。 また、薬機法に関する業務も長年経験しております、QMS、GVP、ISO13485のマニュアル作成・運用まで対応しています。 21世紀のコア産業である、医療機器業界へ参入をお考えの経営者様、お気軽にご相談ください。


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アビガンはどうなってしまうのか②アビガンの再失墜と今後

政府の後押し、マスコミのフィーバー、民意の高騰。

すべての条件が出そろって、
新型コロナウイルスの治療薬として実用化が秒読み段階に入ったかにみえたアビガンでした。

しかし、ここでそこに潜む大きな問題が噴出してきます。

それが「本当に効くのか」という当たり前すぎる問題です。

アビガン狂騒曲と急ブレーキ

新型コロナウイルスに辟易としていた世界の救世主として脚光を浴びたアビガン。

しかし、アビガンをめぐる状況は、段々と雲行きが怪しくなっていきます。

前のめりの官邸と熱狂の国民

アビガンへの期待度を強めた官邸は、3月28日、
4月7日と相次いでアビガンについて首相会見で触れます。

もちろんこれには、アビガン待望論やそれに対しての支持率浮揚策の側面、
そして何より新型コロナ対策の突破口として期待があったのは間違いないでしょう。

また、アビガン承認へのスピードアップ、
その背景に国民の熱狂があったのは言うまでもありません。

前回も述べましたが、3~5月初旬の世間の論調は
「何故アビガンを投与してくれないのか」「臨床試験でいいからアビガンを!」といったものでした。

これが、薬事的にいかに異常事態なのかは言うまでもありません。

薬事承認というのは、いわゆる新薬が効くのか否かというだけではなく、
安全性の担保であったり副作用の有無、また薬害を防ぐうえで欠かせないプロセスです。

しかし、それを国民の方から無視していいから早くと言い出してしまう事態。

そしてこの熱狂は、危険性を伴って広がっていきました。

アビガン狂騒曲への警告は聞こえてこず

そんな中、アビガンフィーバーに関する警告を発する人はいなかったのか。

もちろんそんなことはなく、薬害オンブズパーソン会議や感染症専門医の忽那賢志氏などが、
アビガンを性急に承認しようとする動きに対して警告を発していました。

しかし、その声が一般の国民に届くことはありませんでした。

マスコミを中心に、世間にあふれるのは、
もはや救世主を見るようなアビガンへの待望論ばかりでほとんどその危険性を踏まえた「疑問」「警告」はかき消えていたのです。

もちろん、前回も述べた妊娠や出産に関する副作用があることは伝えられていました。

しかし、そこにあったのは「気をつければ大丈夫」だとか「注意して投与すれば平気」といった楽観論がほとんどでした。

それもこれも「アビガンは効く」という前提あればこそですが、
ここで、その前提が崩れるのです。

アビガンに効果なしの一報で嘘のように消える

そんなときです、熱狂の中にあったアビガンに文字通り冷や水をかけるような発表がなされます。

それが、藤田医科大学の発表したアビガンに関する臨床実験の中間発表で「有効性は確認できなかった」という報道でした。
(こののち7月10日の最終結果発表でも同様の結果が発表される)

この発表で、世間の風向きは一気に変わります。

これまではアビガンが夢の薬であるかのごとくコロナにきくと思っていた人たちが、
この発表を受けて一気に手のひら返しになってしまい、急激に興味を失ったからです。

これにより、一気に報道の表舞台からアビガンが消えてしまいます。

政府内でも、承認を急いだ消費者庁と慎重な厚生労働省の間のパワーバランスが変わり、日本医師会の警告もあいまって一気にトーンダウン。

アビガン騒動はここに終演します。

アビガン騒動の教訓

急激に盛り上がったアビガンフィーバーとその沈静化。

そんなアビガンフィーバーの教訓を考えます。

アビガンは効かない薬なのか

アビガンをめぐる動きの中に、いわゆるその騒動の危険性を主眼にした教訓はたくさんあります。

しかし、忘れられがちですが、
本当にアビガンは効かない薬なのかということに関しても、そこには同様に教訓があるはずです。

というのも、藤田医科大の発表の際土井教授はこう指摘していたのです。

「患者数が少ないため有効性の有無は確認できなかった」

「日本の流行状況で患者数を増やすのは難しい」

つまり、アビガンの有効性を確認できなかったというのは、
有効性を確認できるほどの臨床データが得られなかったということもあったのです。

薬事は世論や熱狂の中にあってはいけない

アビガン承認に向けての危険なスピードアップ、そしてなかったことのような沈静化。

そのどちらにも共通するのは、そこに、専門家ではないマスコミや国民の熱狂、
そしてそれを気にする政府の動向はあるでしょう。

アビガンがスピード承認されれば、思いもしない薬害には点したかもしれません。

同様に、アビガンがもっときちんと治験の機会を得て、
しっかりと研究すればそれこそコロナウイルスの特効薬足り得たかもしれません。

もちろん、いまも研究が続いていますし、
良い結果が出ているという報告もあります。

しかし、時代に翻弄されたアビガンという薬の今後は、
かなり厳しいものであることは言うまでもありません。

アビガンの今後

現在、アビガンの治験は富士フイルムによって行われています。

日本での治験は患者数の減少により難しくなってきましたが、
海外にて行われ、抗血栓薬である「フサン」との併用投与で一定の結果が出たとの報告もあります。

もちろんこの報告もまた、慎重に検討されるべきものです。

とはいえ、決定的な薬の開発もまた最終的なワクチンの感性も未だ道半ばであるいま、アビガンへの期待はあります。

冷静に、慎重に。

知性とともに、きたるべき第2波に向けて治験が進んでほしいものです。

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