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『無言の旅人』仙川環

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医療機器メーカーの工場長を23年経験しました。 本名は菊地孝仁、匠習作はペンネームです。 設計・製造・品質管理・安全管理まで経験済みです。 私自身、医療機器総括製造販売責任者、医療機器製造管理責任者の資格を有しています。 また、薬機法に関する業務も長年経験しております、QMS、GVP、ISO13485のマニュアル作成・運用まで対応しています。 21世紀のコア産業である、医療機器業界へ参入をお考えの経営者様、お気軽にご相談ください。


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医療系小説のご紹介

これから、5回に分けて医療を扱った小説をここで紹介したいと思います。
そのうち、3冊は仙川環さんの小説です。

実は、私も小説を書いています。
先日、発表になったカドカワの小説「野生時代」新人賞では、一次予選を突破することができました。
私のペンネームは、匠習作です。
これは、内容をここで書いてしまうと応募資格を失うので、
書けません。

命というものの所有権を問う。『無言の旅人』仙川環

常々個人的に思っていることがあります。

それは、完全なる平等が存在しない世界にあって、
唯一、必ずすべての人間に平等に存在しているもの、
それが『死』なのではないかということです。

死は唯一人間に与えられた、
貧富も格差も男女も他のすべての際に関わらず存在するもの。

しかし、現在の社会において、そのたった一つの平等であるはずの死は、
すべての人間にその所有が認められているかと言えば、イエスとは言えない現状があります。

本作『無言の旅人』は、そんな死の所有権について深く掘り下げた作品、そのように私は感じたのです。

尊厳死について

尊厳死について、主観なく説明をしておきます。

尊厳死とは

かつて安楽死と言われたものであり、終末期医療における自発的延命治療の拒否にあたります。
現在では、安楽死とは人為的方法を用いて死に向かうもの、尊厳死とは延命治療を断った状態で死に向かうものと定義され、日本においては法的に曖昧な差異しかありません。

尊厳死の問題とは

尊厳死は、基本的には尊厳死を宣言する本人により意思表示がある場合、
容認する向きがあります。

しかしながらここにも大きな問題があり、根本的にそれが法律としては認められていないため、その意思表示には法的拘束力は存在しません。
つまり、意思表示を医師や家族が拒否することも可能だということです。
また同時に、意思表示に従って行った尊厳死の処置に対して、あとになって家族や第三者が医師を訴えるということもあり得るということでもあります。

死を見つめ続ける作品であること

この作品は、死を見つめ続ける作品となっています。
一応ミステリーの体裁をとっていますので、それに沿って考えるのであれば、ミステリーはしそのものではなく死の原因やそこに至る過程を見つめ続けるものです。
そういう意味で、異色のミステリーと言うべき作品だと言えるでしょう。

・一人の男の事故から始まる
すべての物語の発端は、ひとりの男が事故により意識不明となることによって起こります。

男は、そのまま遷延性意識障害の状況に陥るのですが、
いわゆる、これまで言われてきた植物状態に陥るということになるのです。

彼には両親と妹、そして結婚を約束していた女性が存在します。

そしてすべては、この家族と婚約者を軸に展開していくのです。

愛する人間の残した尊厳死の要望書

登場人物たちは、冒頭から愛する人の死という問題に直面します。

しかしそれは、死そのものではなく、死を選択するという、
ある意味、死そのものよりも複雑で苦しい問題に直面していくのです。

というのもその男は『尊厳死の要望書』を残していたからです。

家族も婚約者もその存在を知りませんでした、
そしてここから、それぞれの立場による苦悩と葛藤が始まります。

一つの事件と、結末

話が最後にどうなるのかは、書きません。

しかし、最終的には一つの事件が起こり、
様々な問題は一応それなりのカタチに収まります。

そして、最後、一通のメールが私達の心打つのです。

それは、皆さんで確認してみてください。

死は誰のものであるのか

尊厳死という問題に迫った本書。
その中で、一貫して人々は、死というものの所有を巡って思いを交差させていきます。

それぞれの立場から見える別の景色

愛する家族、愛する人、その人を愛している人間。

それを一括にしてしまえば、それは集団として認識されてしまいますが、
やはりそこにはひとりひとり見えている景色が違うものです。

本作の中心的存在である婚約者、そして、尊厳死に反対する母親。

父親や妹の反応もたしかにそれぞれ興味深いのですが、
半ば暴力的で反感を買うにふさわしい役をあてがわれている母親の婚約者に対する言動に、
人によっては激しい嫌悪を覚えるでしょう。

しかし、そこに真っ向から否定するだけの言葉を、きっと読者の誰も持てないはずです。

愛する人の命の灯を消すことの重圧

温かい肌、時々動く身体、そして機械によってそうであることはわかっていても呼吸し生きながらえる姿。

家族と婚約者たちは、そんな目の前にある確かに感じる命の灯を消すか否かという激しくも苦しい選択の前で、
自らの意思を二転三転させながら葛藤しもがき続けます。

そして、時に激しくぶつかり、愛する人の命を綱引きするかのような醜態をも晒していくのです。

その醜態は、おもに母親によってもたらされます。

しかし、自らの文字通り血肉を分けてこの世に存在する子供の命を、
スイッチを切るように断ってしまう判断を迫られた母親の気持ちを思うと、そこに言葉は出ないのです。

命は誰のものであるのか

最終的に、その判断は死という出来事は誰のために存在するのか、
という問いとともに結論を迎えます。

そして、当然、その結論が正しいか否かは誰にも判断できません。

一つの事件を通して、それは意外な形で決着をみますが、
それでも、最後までその答えはないのです。

尊厳死の尊厳の意味を問う

尊厳とは、なんなのか。

本作を読んでたどり着いたもの、それは尊厳死という言葉にある尊厳の意味でした。

そしてその答えは、やはり出ることはありません。

しかし、人間として、そのことについて考えるべきだとは思いますので、
本作を強くおすすめいたします。

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