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仙川環『治験』

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医療機器メーカーの工場長を23年経験しました。 本名は菊地孝仁、匠習作はペンネームです。 設計・製造・品質管理・安全管理まで経験済みです。 私自身、医療機器総括製造販売責任者、医療機器製造管理責任者の資格を有しています。 また、薬機法に関する業務も長年経験しております、QMS、GVP、ISO13485のマニュアル作成・運用まで対応しています。 21世紀のコア産業である、医療機器業界へ参入をお考えの経営者様、お気軽にご相談ください。


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仙川環入門の書としておすすめ 仙川環『治験』

ときに専門的な内容が多く盛り込まれる仙川環作品。

なれてしまえばその重厚感がなんとも言えずリアルで引き込まれるのですが、
もしかしたら中にはちょっと専門的すぎるな、
と思っている方もいるかもしれません。

そんな方におすすめなのが、本作『治験』

健康食品をめぐるミステリという点では、きちんと仙川作品の良さを踏襲していながらも、
専門的用語が少なくわかりやすいのが特徴。

仙川環という小説家のテイストを知るには丁度いい作品です。

仙川環『治験』

本作の中心となるテーマは健康食品。

しかしそれは、ただの健康食品の問題にとどまらず、
大きく世界に広がる話となっていきます。

発端は怪しい健康食品販売

主人公は、休職中の中年男性。

ハローワークで仕事を探した帰りに、
怪しい外国人の男性に話しかけられるところから話は始まります。

その男性いわく、自分は健康食品販売をしているものだ、と。

そしてその男性は、
仕事探しの真っ最中である主人公に米国製健康食品の日本の窓口として働かないか? と伝えます。

しかも、年俸1000万円で。

普段からあまり物事を深く考えない性格の主人公は、
楽そうな仕事であることもあってその話を受けます。

そして順調に滑り出し、成果をあげていく主人公。

しかし、そのご、外国人男性と連絡がつかなくなり、
本社のアドレスも消えてしまって。

物語は、そんな、
健康食品販売関連のトラブルから始まっていきます。

話は健康食品の健康被害へ発展

米国本社と連絡がつかなくなった主人公。

しかし、持ち前のノンビリさで、なんとなく日々を過ごしていたところ、
自分の販売した健康食品を利用した人に健康被害が出ているという話が湧き上がります。

しかも、それは死亡事故になっているというのです。

さすがの主人公もこのあたりで、そのことの重大さに気づき焦り始めます。

そんな折、飼っていたネコが体調を崩したため、
獣医につれていくとなんとネコはがんに罹っていました。

がんにも聞く免疫系の健康食品を打っていると思っている主人公は、
何気なくその健康食品を猫に食べさせます。

しかしその直後、ネコは容態が急変し獣医のもとで安楽死処分に。

ここに来て初めて、
自分がとんでもないのを売らされていたのではないか、主人公は気づくのです。

話は国をまたいで大きくなっていく

この語、この健康食品の話はアメリカ本土を巻き込む事態へと発展していきます。

米国でも権威ある研究機関、そして国際テロ組織。

ただの一般人である主人公は、そんな世界レベルの波に巻き込まれるように、
アメリカの地で奔走していくのですが、そのはて見つかった真実。

それは、想像を絶する、恐怖を伴うものだったのです。

健康食品とテーラーメイド医療

本作の核心部分にあるものは健康食品。

そして繰り返し作中に登場するテーラーメイド医療というものです。

健康食品に甘い日本

本作が出版されたのは2008年。

今はそこまでの事はありませんが、まだこの当時、
日本の健康食品に対する規制は緩いと言わざるを得ませんでした。

証拠に、作品中で販売する健康食品も『末期がんですら治る』と銘打って売られるのです。

もちろん、今はそんな事ができません。

改正された薬機法によれば、健康食品はあくまで食品であり、
医薬品のような効能をうたうことはできないとなっていますし、
特定保健用食品などの区別も増えました。

しかし、それでも、現在もかなり甘い基準であると指摘する声もあります。

テーラーメイド医療とは

本作の中に度々登場するテーラーメイド医療です。

もちろん作品中にもその解説はありますが、
ここでも解説をしておくならば、それはオーダーメイドな医療のこと。

遺伝子の状況により、同じ薬でも聞きやすい人と聞きにくい人がいる。

もしくは、同じ薬品で副作用(副反応)が激しく出る人と全くでない人もいる。

こういった、個人が持つ特徴に即して、
その人の遺伝子や体質に適し大量を提供するというのがテーラーメイド医療。

そして本作中においては、このテーラーメイド医療のまがい物と、
規制の甘い健康食品を利用して、大きな企みが実施されたのです。

テーラーメイド医療を悪用する恐怖

本作中で言及される健康食品を使った企み、それはまさに恐怖の企みでした。

そこには、意図的に薬の効果を特定の遺伝子を持つ人間にだけ発揮させるテーラーメイド医療の悪用があったのですが、
もちろん詳しく描くことはできません。

しかも、これはフィクション、同じことが実際にできるというわけでもないでしょう。

しかし、もし万が一、本作内で書かれているような企みを実行できたとしたら。

それを犯罪組織やテロ組織が悪用するようなことになったら。

そう考えると、そこはかとない恐怖が襲ってくるのです。

騙す側と騙される側

本作においてもう一つテーマがあるとすれば、それは騙す側と騙される側のあり方。

個人の生き方にも関係してくる、今の社会での自分の有り様の問題です。

騙す側に意図せず加担して以来騙されまくる主人公

本作の主人公。

一般にミステリ小説にでてくる頭脳明晰であったり、行動力と意志の力に優れているような人物ではなく、かなりぼんやりとした人物です。

しかも、次から次に騙されていく人間でもあります。

結果騙す側に回ってしまった健康食品販売も、もともとは騙されたものですし、
その後も、敵味方関わらず、ある意味ずっと騙されて振り回され続けるのです。

騙す、騙される。はすぐそこにある

本作の主人公は、たしかにかなりのんびりした人間です。

しかし、本作を読んでいけば、騙される側になってしまう危険性と可能性は、いつも直ぐ側にあるのだと感じます。

しかも、騙す側には、それなりの意思と行動力がある。

もちろん、その意志が何であれ、褒められた行為ではないのですが、
考えさせられるものでもあります。

自分は騙される側なのか、それとも騙す側なのか。

はたまた、どちらにもなる危険性をはらんでいるのか。

そんな想いに駆られる作品です。

読み味は軽く、読みやすさはピカイチ

内容の重さと大きさに比べて、本作は非常にライトな読み口となています。

ぜひこれまで仙川環作品を読んでいない方、
もしくは専門分野に切り込むタイプのミステリに親しんでない方に読んでいただきたい、そんな作品です。

そして、この世界観にハマったときには、
仙川環作品を始めとした作品たちを、楽しんでみてください。

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