医療機器界の最前線、ヘルステックとはなにか
今医療機器の最前線に当たるものに「ヘルステック」という言葉があります。
『HealthTech(ヘルステック)』とは、
健康を表す「Health(ヘルス)」と技術を表す「Technology(テクノロジー)」を掛け合わせた造語です。
健康の維持管理に、最新の技術を導入し、
人手不足を解消し時間的・物理的断絶を無くして個々人の健康状況をモニタリングすることを目的にしています。
少なくとも、今後大手企業を中心いこのヘルステックへの取り組みが行われていくことは間違いありませんし、
ベンチャーが大いに目をつけるところでもあります。
また、その背景には「2025年問題」があるのです。
2025年は、団塊の世代が後期高齢者である75歳以上に突入し、
国民の3人に1人が65歳以上、5人に1人が75歳以上になります。
そのときに問題になるのが、「介護難民の急増」です。
この問題に対し、
技術で打開策を図ろうという意図もヘルステックにはあるのです。
では、そのヘルステックを具体的に見ていきましょう。
テック系というワードを知ろう
ヘルステックを知る前に抑えておきたいのは「テック系」という言葉。
簡単に言えばITと既存業種の融合のことを言うんですね。
代表的な6テック(6Tech)
テックとは、かつてIT系と言われていたもののことで、
要は業種のIT化のことを言うんですね。
基本的に今社会の中で注目されているものには
「6Tech」と言われる6業種のIT化が代表的なものとして注目を浴びています。
それは次の6つです。
- Fintech=ファイナンス(金融)とIT
- Edutech=エデュケーション(教育)とIT
- Hometech=ホーム(住宅)とIT
- Autotech=オートモービル(車)とIT
- Frontiertech=宇宙とIT
- Healthtech=ヘルスケア(医療)とIT
つまり現在、医療機器を始めとした医療分野は、
IT化の中心的位置づけの中にあると考えて間違いありません。
どうしていまテックなのか
かつてはITベンチャーという言葉をよく聞きましたよね。
しかし、現在では、特にIT系の企業界隈ではITベンチャーとは言わず、
テック系のスタートアップというような言葉を使うほどテックという言葉は浸透しています。
ここでいうテックとはまさにテクノロジーのことで、
ひとつには今の先端テクノロジーがITと離れているわけがないためこういうわけです。
ただ他方では、IT技術の進展によってITという言葉では情報技術を使った業界が内包できなくなってきたという点もあります。
たとえば、AIやIOT、プログラムやシステム、またはそういった機能を搭載する機械そのもの。
要は、技術者、開発者、プログラマー、SE、工業技術者など様々な範囲に及んでいるため、
テックという言葉にまとめているというわけです。
ヘルステックはどんどんと進歩している。
ヘルステックの現状
そんななかヘルステックの現状はというと、その進歩はかなり目覚ましいものとなっています。
医療機器は当然の事医療そのもののITか、いやテック化が進んでいるわけです。
電子カルテや電子処方箋
カルテや処方箋を電子化しようという試みはもはや当たり前に始まっています。
一番の理由は紙コストや、管理コスト、
もしくは単純に人件費のコストや持ち運びのコストなどあらゆるコストが一気に削減できる点です。
またデータの一元化により患者さんの管理もかなり用意になっています。
今後電子カルテや電子処方箋の規格が統一されれば、店員や転居による主治医の変更などの際にも大いに役立つことでしょう。
医療アプリの開発
そしてもう1つ目覚ましいのが医療アプリの開発。
これは医療機器の分野から健康器具の分野まで様々なアプリが開発され、
ヒビの健康管理から現実の医療における患者の状態管理など様々な分野で活用されています。
また、これらのデータと医療機器を連動させるIOT技術を持った医療機器も数多く開発されています。
患者のデータがモバイルで取得できたり、
クラウドで一元化されたりすることによって、
こういったIOT化された医療機器はますます便利になっていくことでしょう。
今後医療機器の製造を始めるというのであれば、
このあたりの状況は大きな影響を及ぼすはずです。
医療機器を考える時にヘルステックはもはや不可欠
医療機器の今後は、もはやヘルステックとは切り離せないものとなるでしょう。
特に高齢人口がピークを迎える2025年問題を控えている日本にとって、
人手や資金のコスト削減は喫緊の課題ですので、まさにどんぴしゃりです。
これからの医療機器は、
このヘルステックの流れの中でイノベーションが繰り返されることは間違いないのです。
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