ISO13485 品質マニュアルを理解する 設計・開発の移管 7.3.8
要求事項
7.3.8 設計・開発の移管
組織は,設計。開発のアウトプットを製造に移管するための手順を文書化する。
~~中略~~
その製造能力が製品要求事項を満たすことができることを確実にする。
移管の結果及び結論は記録する (4.2.4、4.2.5参照)。
全部引用したいのですが、著作権の問題があるので出来ません。
いずれにしても、13485を取得するのであれば、規格の本は購入して下さい。
この項で言っていること
7.3.8 設計・開発の移管
会社は、設計・開発が完了した製品を生産・製造部門に託す際のルールを、文書化して下さい。
ここで言う移管とは、設計開発行為を移管することではありません。
設計開発から、製造段階に工程が進むことを言っています。
誤解している方も多いので、注意して下さい。
製造を委託する際には、製造に必要な書類、例えば最終製造仕様を用意する必要があります。
(製品規格、図面、作業標準書、検査基準、検査方法書、記録用紙など)
これらの書類の内容が、実際の作業に適していることを確めて下さい。
その書類に定めた製造方法で、基準に合った製品を(安定して)製造できることを確認して下さい。
これには、DRのときの記録が役立つはずです。
移管の記録(打合せの記録、用意した文書、これに基づく製造の結果など)を残して下さい。
これらは、重要な記録です。
(4.2.5に従って管理して下さい)。
目的
この項では、設計・開発プロセスのアウトプットが、
適切に製造現場に移管されることを確実にするためのプロセスを説明しています。
何をするべきか
製造への移管は、仕様が決り、作業手順の検証が終わり、
さらにそれらが承認された後に行われます。
これは、コンカレントエンジニアリングにおいても同じです。
コンカレントエンジニアリングでは、それが同時進行になるだけです。
製品実現の計画は、製造や適合性評価の要求事項も考慮して下さい。
おもに、以下の項目を考慮すれば良いと思います。
- 製造能力
- 部品・材料の利用可能性
- 製造設備の能力・性能
- 検査機器の性能
- 作業者の力量
- 作業手順
- 作業方法
この計画は、個々の仕様が製品実現に関連する特定のプロセス又は手順に正しく取り込まれることを示します。
またそれらを、確実にするために全ての仕様を網羅しなければなりません。
これらを失敗すると以下のようなことが発生します。
- 間違った原材料グレードや量の購入
- 不適切な製造方法
- バリデーションされていないプロセス
- 不明確な作業手順
- 不正確なラベリング
- あるいは、これら複合的な理由による生産の遅れ
- 不適合適合製品による出荷停止上記を引き起こすことになります。
仕様、方法及び手順の適格性は、
プロセスバリデーションを通じて実証することができます(7.5.6参照)、必ず事前に確認して下さい。
設計・開発から製造への委託計画において、
委託の計画が確立され、調達活動が開始され、購買手順に従って材料及び供給者が認定されます。
プロセスバリデーションは、
製造に発注する前、その最中に始めることもできます。
設計・開発から製造への移管は、
製品が正しく製造プロセスへ移管されたことが確認された時点で終了します。
これは主に、
最終検査が終了して特別な作業無しに合格品が作れたことを意味します。
会社は、設計・開発アウトプットが製造に効果的に移管される文書化された手順
及び記録が維持されていることを確実して下さい。
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