ISO13485 品質マニュアルを理解する 設計・開発ファイル 7.3.10
今回で、設計開発に関する要求事項は終わりです。
7.3は7.3.1~7.3.10まで10回分でした。
規格の話が続いたので、
次回から少しの間、医療機器市場の話題で書く予定です。
その後、7.4の購買管理に入ります。
要求事項
組織は、個々の医療機器の型式又は医療機器ファミリについて設計・開発のファイルを維持する。
~~略
全部引用したいのですが、著作権の問題があるので出来ません。
いずれにしても、13485を取得するのであれば、規格の本は購入して下さい。
この項で言っていること
7.3.10 設計・開発ファイル
会社は、製品の図番やシリーズ毎に、設計・開発の記録をまとめたファイルを用意する必要があります。
このファイルに、設計・開発が適切に行われたことを証明する記録を纏めて下さい。
記録の仕方は記録の手順に従って下さい。
目的
この項では、医療機器のタイプ又はファミリごとに一つのファイルとして維持すべき設計・開発プロセスの中で生成される記録の概要を示している。
何をするべきか
設計・開発ファイルは、医療機器ごと又は医療機器ファミリごとに作成し、
医療機器の設計履歴を記した公式文書だということを周知させて下さい。
このファイルは製品の履歴を提供するため、管理及び維持が重要です。
現在であれば、電子データで保管し、さらにバックアップを取ると良いでしょう。
もちろん、改竄できないように管理する必要があります。
ファイルは、設計・開発プロセスの中で作成された実際の文書を集めたもの、又は文書とその保管場所を示したインデックス、いずれかで差し支えありません。
しかし、検索が容易であることは求められます。
設計・開発の記録を編集したものは、設計履歴簿[DesignHistory File (DHF)]と呼ばれることもあります。
とは言え、今は死後です。
紙で記録するよりも電子データで記録して下さい。
クラウドサーバーを使えば、比較的安い費用で安全に保管することが可能です。
ファイルは設計・開発計画を含みます。
設計・開発手順を含めた設計・開発計画への適合性を確立するために必要な全ての記録を包含するか又は参照します。
対照的に、最終の設計・開発アウトプットは医療機器、そのラベリング及び包材、
医療機器の仕様及び図面だけでなく、
製造、据付け、保守及びサービスのための全ての指示書と手順も含みます。
これら同じ設計・開発アウトプットの幾つかも、医療機器ファイルの一部になります。
設計・開発ファイルは、医療機器が承認された計画に従って開発され、
意図したとおりに機能し、医療機器に対する適切な要求事項を満たしたことを実証するために必要な記録を含みます。
ファイルは、会社が設計・開発プロセスへの管理を行使し、
責任を負うことができ、それによって医療機器が設計・開発要求事項に適合する可能性を高めるために必要です。
設計・開発ファイルは次のものを含みますが、これだけに限りません。
- エンジニアリング、実験室、模擬使用、動物実験の結果
- 及び医療機器の安全性に関する医療機器の評価結果並びに仕様への適合性
- あるいは、本質的に同等な医療機器に適用可能な公知文献の評価結果または、仕様への適合性
- 試験方法の設計、試験プロトコル
- データ分析の手法の詳細u情報、加えてデータの要約及び試験結果並びに結論
- 生体適合性(患者又はユーザーに直接又は間接接触する全ての材料を特定していること)
- 物理、化学及び微生物学的特性
- 電気的安全性及び電磁両立性
- 安定性/有効期限
- ソフトウェアの設計・開発プロセスを示したソフトウェアの検証及びバリデーション並びに最終のリリースに先立つて全ての異なるハードウェア構成で実施した社内及び模擬的又は実際のユーザーの両方の環境試験の結果の要約
- 該当する場合、製造業者から提供された情報で特定されたOSを含むソフトウェアバリデーションの証拠
- G LP (good laboratory practice)の原則の適用の証拠及び化学物質の試験への適用の検証
- 臨床評価報告書
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