医療機器というと、
多くの方はMRIだとかレントゲン・CTスキャンのようなものを想像するのではないでしょうか。
なかには、そこまで大げさな危害ではなくても、
よく切れるメスだとか痛くない注射針などを、
その医療機器の一部と考える人もおおいはずです。
そうつまり、医療機器とは専門性が高く一般の企業や製造業では手に負えないというイメージがありますよね。
しかし、それは大きな間違い。
前にも書きましたがメガネも医療機器です。
コンタクトレンズは、瞼の中に入りますからクラスⅡの医療機器です。
実は、医療機器とは結構単純な製品もその中に含まれるのです。
今回はそのひとつ「傷を覆う物たち」について考えていきましょう。
こんなものも医療機器「絆創膏」
実は絆創膏も、その一部は医療機器です。
薬機法では、絆創膏は「医薬品」「医薬部外品」「医療機器」の3つに分かれているのですが、
中でも真ん中の布の部分に薬剤を含んでいないものが医療機器になります。
絆創膏の素材
絆創膏の素材には「ウレタン不織布」「塩化ビニル」「伸縮性綿布」「ウレタンフィルム」「オレフィンフィルム」などが使われています。
基本的には通気性が良く、はがれにくいけどはがしやすいという粘着テープであれば問題はありません。
また最近は、高分子吸収体などを使ったものも開発されていて、その素材に桶進歩がめざましい分野です。
用途による多様性
また、絆創膏はその用途によって、
かなり多様性を持つようになりました。
安価で性能の低いもの(100円均一の店にもありますよね)高機能のもの、
大きな怪我用、小さな怪我用、子供用などその用途によってかなりの種類が作られています。
また傷パッドと言われるものなども存在し、かなりの発展性が見込める業界です。
こんなものも医療機器「ガーゼ」
結構驚かれますが、ガーゼもれっきとした医療機器。
基本的に布でしかないものですので、かなり意外性のあるものですが、
なんと平成17年の薬機法改正前は医薬品でしたので薬局でしか買えないものでした。
それもこれも、ガーゼはただの布ではないからです。
厳密に規格の決まっている布
ガーゼがまだ医薬品時代であった時その外箱には「日本薬局方」と書いてありました。
この日本薬局方とは、日本における医薬品の規格を厳密に定めてある厚生労働大臣の名のもとに公示されたもので、
医薬品時代のガーゼはこの規格に合せて厳密に作られていたわけです。
しかし、医薬品から医療機器に変わった今、
日本薬局方に縛られることはなくなりました。
ただ、医療の現場などでの利便性を落とさないために、
現在でもかつての規格通り厳密に作られているのです。
規格外という選択肢が生まれた
しかし、とはいえ、今は規格外を作ってはいけないわけではありません。
ですので、医療機器製造販売業者のなかには、各病院のオーダーを取ったオーダーサービスなどを展開しているところもあります。
そういう意味で、かなり可能性を秘めた製品ですね。
こんなものも医療機器「脱脂綿」
そう、なんと「脱脂綿」も医療機器です。
この脱脂綿が一般的な布団綿とどう違うかといえば、
その名の通り脂肪分を含んでいるのかいないのかと言うだけの違いです。
脱脂とは、脂を脱したと言う意味です。
あとは基本的にただの綿。
しかも医療機関では大量に使うものでもありますので、
需要という点では簡単になくならない類いの医療機器と言えます。
主に布や綿を扱う業種に可能性あり
こういった製品は主に布や綿を扱う業種にとっては
、参入ハードルの高くない製品と言えるでしょう。
また、業務用テープなど、粘着テープを作っている会社やハイポリマーなどを扱う業種にとっても、
特に絆創膏の分野には大きな変化を伴わず参入できるかもしれません。
もっとも、素材で十分利益は出ているというメーカーなら敢えて製品までチャレンジすることもないでしょうか?
何度も言いますが、医療機器は特別なものではありません。
これからも、身近にある意外な医療機器を紹介していきます。
30万とも40万とも言われるアイテム数です。
必ず、あなたの会社の技術を活かせる医療機器はあるのです。
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