ISO13485 品質マニュアルを理解する 製品実現 7.0
ISO13485 品質マニュアルを理解する 製品実現の計画 7.1
ついに7章まで来ました。
製品実現の章です。何が大事と言う訳ではないのですが、
ISO 13485は医療機器を製造販売するための品質に関する規格です。
やはり製品実現の章は重要だと言えるのです。
要求事項
組織は、製品実現のために必要なプロセスを計画して構築する。
製品実現の計画は、品質マネジメントシステムのその他のプロセスの要求事項と整合性をとる。
組織は、製品実現におけるリスクマネジメントの一つ以上のプロセスを文書化する。
リスクマネジメント活動による記録は維持する(4.2.5参照)。
~~中略~~
a) 製品に対する品質目標及び要求事項。
b) ~~中略~~
c) ~~中略~~
d) ~~中略~~この計画のアウトプットは、組織の計画の実行に適した形式で文書化する。
注記 更なる情報は,IS0 14971を参照。
全部引用したいのですが、著作権の問題があるので出来ません。
いずれにしても、13485を取得するのであれば、規格の本は購入して下さい。
この項で言っていること
品番ごとにルールを決める
会社は、製品の品番ごとに、製品仕様、QC工程表、製造基準、検査基準、取扱い方法などを決める必要があります。
この決りは、他の仕事の仕組みと矛盾がないように決める必要がありす。
リスクマネジメントの実施
製品の設計・開発、製造、出荷、使用などに関して、リスクマネジメントを行わなければなりません。
リスクマネジメントの方法は、文書で定めます
このリスクマネジメントの方法は、1つでなくても良いのですが、複雑にすると間違いが生じます。
リスクマネジメントの記録を残すこと
製品の品番ごとのルールとして、以下の項目(必要なもの)を決めること。
a) 要求事項の明確化
- 製品(品番、グレード)の仕様
- 製品品質に関する目標値
b) リソース・インフラストラクチャーの確立
- 個々の製品の製造方法
- そのために必要な施設、設備、作業環境など
- 製造の途中で作成する文書(4.2.4に従って管理する)
- 必要な人員(人数、技術、技能、資格など)
c) 合否判定基準
- 製造工程における監視、試験、検査、妥当性確認などの評価方法・検査方法
- 製品の合否の判定基準
- その保管方法、輸送方法、その間の取扱い方法、トレーサビリティのために必要なこと。
d) 製品が合格基準を満たしていることを証明する記録類
- 製品の品質を証明する記録(記録は4.2.5に従って管理すること)上記の通り、製品の品番ごとのルールを文書で定めること。
文書のスタイルは自社で決めてよい。
<補足説明> リスクマネジメントの実施方法はISO14971を参照すること
目的
この項では、製品を完成させ、
市場に提供するまでの計画、活動を文書化することの重要性について示しています。
また、製品実現に用いるリスクマネジメントプロセスが確実に文書化されることの必要性を強調しています。
さらに、製品実現をめぐる計画活動に加えて、組織は、製品の取扱い、保管、輸送及び
トレーサビリテイの活動に取り組むことの重要性を述べています。
何をするべきか
会社は、会社のQMS下で製造する医療機器が意図したとおり安全かつ有効であることを保証するために、
製品実現を計画する必要があります。
会社のQMSの一部として、製品実現活動は医療機器の安全性及び有効性に直接影響する計画は、
他のQMSプロセスと矛盾しないように決める必要もあります。
また、製品実現の計画には次のことを含めて下さい。
- 要求されるインプットを特定する
- 品質目標を明確にする
- 望ましいアウトプットを得るために必要な日程完了の目標を含め、活動の順序を規定し、文書化する
- 作業者に関して適切に資源を配置し、 責任分担を明確にする
- 必要なプロセスパラメータの監視測定方法を明確にする
計画文書化のゴールは、組織が製品実現活動を成功させるためのプロセスと
要求事項を明確に理解できるようにすることです。
計画書の中では、製品実現において、誰が品質目標、プロセス、記録を含む文書、
及び資源を確立する責任者であるかも決める必要があります。
リスクマネジメントプロセスは、
様々な段階で実施されるリスク評価及びリスクを低減又は管理する必要があります。
また、製品実現において文書化される必要があります。
リスクマネジメントの記録の作成及び保管方法を決めて、
その通りに実行しなければなりません。
製品のリスクは、製品ライフサイクルの中で、通常設計・開発フェーズで検討され、
製品の販売後の知識増大に伴って、更新されるものです。
製品が安全面及び機能面で期待されることを満たすために危険因子を識別し、
危険因子に関連するリスクを評価ししなければなりません。
あらたに出現するリスク低減活動を識別するものとして、
リスクマトリックスを使うことも考えて下さい。
リスクマトリックスは、該当領域の専門家が用意しても構いません。
適切なパックグラウンド(例:臨床)を備えた専門家がリスク評価の準備やレビユーに参加することも重要です。
製品実現を通して適用されるそれぞれの工程のリスクも評価する必要があります。
これは、製造プロセスのみならず、他のQMSプロセスも含むことがあります。
通常、特定の重大なプロセスに関する危害を識別し、
そのリスクを見積もり、それらリスクを受容可能なレベルまで、低減する必要があります。
例えば、感染を引き起こす製品リスクが受容不可と見積もられ、使用前の滅菌で低減する事例を考えます。
この場合、製品の滅菌を達成できないという滅菌プロセスのハザードは、
滅菌プロセスバリデーション及び適加できる滅菌規格に従った作業を実施することで軽減されます。
リスク評価が“静止した”文書にならないようにすることが重要です。
リスク評価は製品ライフサイクル(例えば、苦情調査の中で)を通して利用され、
増大し続ける製品やプロセスの知識に伴って更新される必要があります。
リクスを更新することをつねに考えて下さい。
同様に、プロセス変更を実施する際、リスク評価が変更管理に含まれており、
それに沿ってリスクマトリックスが更新して下さい。
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