品質マニュアルを理解する 設計・開発のバリデーション

 

ISO13485 品質マニュアルを理解する 設計・開発のバリデーション 7.3.7

要求事項

7.3.7 設計・開発のバリデーション

結果として得られる製品が、規定した適用又は意図する用途への要求事項を満たす能力があることを確実にするために、
計画し文書化した取り決めに従って設計・開発のバリデーションを実施する。

組織は、方法、許容基準を含むバリデーション計画を文書化する。

~~中略~~

意図する用途が、医療機器の他の機器への接続又はインタフェースを要求している場合、バリデーションには、接続又はインタフェースした状態で、その製品が規定した適用又は意図する用途に合致することの確認を含める。

バリデーションは、顧客の製品使用のためのリリースに先立ち完了する。

バリデーションの結果及び結論並びに必要な処置の記録を維持する(4.2.4、4.2.5参照)。

全部引用したいのですが、著作権の問題があるので出来ません。

いずれにしても、13485を取得するのであれば、規格の本は購入して下さい。

この項で言っていること

7.3.7 設計・開発のバリデーション

「設計・開発のバリデーション」とは、
設計・開発した製品が、狙い通りに機能することを確認することを言います。
(工程内のバリデーションは少し意味が異なりますので注意して下さい。)

バリデーション

「設計・開発のバリデーション」は設計・開発のルール(7.3.1)と、
計画書(7.3.2)に従って行う必要があります。

全体の計画書とは別に、バリデーションの具体的な計画書を作成して下さい。
その中で、バリデーションの方法を決めて下さい。

さらに、バリデーションの合否を判断する基準も決めて下さい。

医学的な効能など、統計学による判断が必要な試験項目がある場合は、
その分析方法を計画書で決める必要があります。

統計的分析

特に、検体数をどのようにして決めたかについて、
理論的な根拠を記録に残すことが求められます。

バリデーションに用いる製品は、
実際の製造条件で製造されたものを使って下さい。

例えば、最初に製造ラインで組み立てられた製品、
量産試作された製品、またはこれと同等と考えられるものを使うこと。

その製品が、バリデーションに適切だと判断した理由も記録して下さい。
(4.2.5に従って管理して下さい)。

国の法令で臨床試験(GCP)や性能評価(体外試験機の実検体による試験)が定められている場合は、
臨床試験を実施して下さい。

他の医療機器と組み合わせて(または連結して)使う医療機器は、
組み合わせた状態で試験しなければなりません。

実際に使用する場合と同じ環境で試験を行う必要があります。

バリデーションは必須事項です、製品を、一旦顧客に引き渡した後で、
実際に顧客で使用しながら「設計・開発のバリデーション」 を行う手法は認められません。

責任と権限

バリデーションは、製品を顧客に引渡す前(市場に出荷する前)に終わっている必要があります。

ただし、設計・開発の途中で、
(バリデーションとして)臨床試験(GCP)や性能評価を行うために製品を医療機関に提供することは認められます
(これは顧客への引き渡しに該当しません)。

「設計・開発のバリデーション」の記録を残して下さい。

また、その結果を受けて何らかの対策をした場合は、
その記録も残す必要があります。
(4.2.4または4.2.5に従って管理して下さい)。

目的

この項は、設計・開発のプロセスのアウトプットがユーザニーズを適切に満たしていることの確認に関する要求事項です。

バリデーション計画の要求事項及び医療機器インタフェースへの考慮も含まれます。

何をするべきか

バリデーションは、客観的証拠を提示することを通して、
医療機器が特定の意図した用途又は使用方法に対する要求事項を満たしている能力があることを確認することです。

バリデーション計画は、
医療機器が顧客要求事項を満たしていることを実証するために実行する全ての活動を方向付けるために開発します。

バリデーション計画は、
トレーサビリティの要求事項だけでなく製造のことも取り上げて下さい。

加えて、バリデーション計画は、
その方法の認定も含めて下さい。

設計・開発アウトプットに対する合否判定基準には、
判定基準近傍の許容可能なばらつきを含むように決めた方が良いと思います。

これらの判定基準は、
医療機器が使用中に故障した場面に生じるリスクを考慮に入れるた方が良いでしょう。

リスク分析のアウトプットは、
判定基準の正当性を示すことに使うことができます。

バリデーションに用いる製品は、
製品と同じ医療機器です、試験品ではありません。

要求事項は、
医療機器が一貫して機能することを実証するような方法で確立して下さい。

データ分析に統計的手法を選択する場合は、
分析の種類に対して方法が適切であることを注意深く確認して下さい。

チェックする

バリデーション計画には、
判定基準に合致しなかった場合にとるべき処置を含めて下さい。

設計・開発バリデーションに用いる医療機器は、
最終的な製品と同じ設備・生産システム・生産工程で生産する必要があります。

バリデーションは、実際の、又は模擬的な使用状況下で実施し、
また、法的要求事項に従った臨床調査も含めることができます。

最終製品及びプロセス条件を代表する製品を用いて設計・開発バリデーションを実施しない場合は、
バリデーションが不適切となることもあります。

あるいは、実際の又は模擬的な使用状況下で実施しない場合も同じです。

試験用の試作品又は実験室環境で組み立てられたモデルで製品の適切性を判断することは、
許されることではありません。

医療現場

国又は地域の規制が、
設計・開発バリデーションの一部として臨床評価を要求する場合があります。

臨床評価は、
医療機器が意図したとおり機能することを確実にするために、次の一つ以上を含みます。

設計・開発する医療機器に関連のある信頼できる科学文献の厳密な分析
類似の医療機器又は材料が臨床的に安全で、あるという過去に用いられた証拠
臨床調査(又は臨床試験)

臨床評価に関する追加的な要求事項については、
ISO14155シリーズを参照にして下さい。

体外診断用医療機器に対して、
性能評価は医療機器が臨床検査室又は適切な外部環境で意図したとおり機能することを確実にするために実施されるインビトロ検討から行います。
(in vitro(イン・ビトロ)とは、生物学の実験などにおいて、試験管内などの人工的に構成された条件下、
すなわち、各種の実験条件が人為的にコントロールされた環境であることを意味します。)

バリデーションの結果、製品が上記の要求事項を満たさないことが示された場合、
会社はそれに対して何をするかを決める必要があります。

組織が決める活動の効果は、次の設計・開発レビューのいち要素として下さい。

バリデーションプロセスの結果は、
変更や改良(又は次回の設計・開発の改定あるいは製品及びサービスの次の世代)につながる可能性があるので、
設計・開発プロセスの各ステージにフィードパックして下さい。

用いたバリデーション方法は記録する必要があります。

記録は、設計・開発バリデーションが計画された取り決めどおりに実施されたことを実証し、
結果として得られた製品が既定の又は既知の意図した用途に対する要求事項を満たしていることを実証します。

バリデーションの結果は、
必要な処置とともに記録する必要があります。

文書記録

バリデーションは、
製品の引渡し又は利用前に完了しなければなりません。

品質マニュアル

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