外来患者を増やすには、患者は顧客の時代へ

外来患者を増やすには、患者は顧客の時代へ

人が生きている以上、
必ず病にかかります。

これまでの病院経営は、
この「必ず必要である」という前提を背景に、
よく言えば間口の広い、悪く言えば殿様商売の経営を繰り広げてきました。

しかし、少子高齢化という問題がこの状況を一変。

当然高齢者医療の伸びは凄まじいものがありますが、
一般外来患者は減る一方で地方の中規模クリニックや医院の倒産も相次いでいます。

医者になれば一生安泰。

そんな時代が終りを迎えているいま、
求められているはカスタマーサティスファイ。

医療イノベーションの本質

つまり患者を顧客と認識した病院経営なのです。

一般企業の顧客増加方法の基礎

ではここで、一般企業の顧客増加方法の基礎とはなにかを考えていきます。

①在来顧客の確保

現在顧客として存在している人数の確保、まずはこれが重要です。

平たくいえば、つまりはリピーターの永続的な確保ということになるのですが、
一般の企業においてはこれは経営のイロハのイであり当り前の概念。

そしてこれは、当然病院経営にも必要なものです。

病院の形態や規模、診療科にもよりますが、
病院に来る外来患者の約7~8割がこの在来顧客、つまりリピーターです。

②新規顧客の獲得

在来顧客は、必ず減少します。

永続的なリピートを狙っていたとしても、
それが永続的であって永続でない限り必ず減っていくわけですから、
その補充もしくは拡大のポイントが新規顧客になるわけです。

しかし、一般に在来顧客の確保にかかるコストに比べ新規顧客獲得にかかるコストは5倍かかるといわれています。

つまり、売上から引かれるコストは在来顧客の5倍になるのですから、
その短期的な観測ではイマイチ効果の薄いものに思われてしまうでしょう。

しかし、常に必要なものであることは間違いありません。

③顧客満足度の向上

そして、①と②の両方に関わってくるのが、顧客満足度です。

患者も満足

在来顧客のリピートの顧客満足度が関わるのは当然ですが、
地方病院には欠かせない『口コミによる新規顧客の獲得』にも在来顧客の顧客満足度はかなり大きく影響します。

また、せっかくやってきた新規顧客が在来顧客に変わるきっかけもまた、この顧客満足度です。

医療機関における顧客満足度とはなんだろう

では、医療機関における顧客満足度とはなんでしょう。

医師の技量

もちろんこれは当然です。

いわゆる「あそこの病院は腕がいい」というものですが、
実際問題このレベルで在来顧客を確保し新規顧客を得るには、
かなりほかと圧倒的な差が必要になります。

当然これは常に向上の意欲を持つべきですが、効果的な方策とは言えません。

医療機関への信頼度

極論ですが、腕はいいが態度の悪い医院とその逆とでは後者のほうが人気が出ます。

なぜなら医療機関という場所は、自分の全てをさらけ出しその命を預ける場所なのですから、
それ相応の信頼感がないと安心して治療に専念できないからです。

実際、地方の繁盛している医院などは「医者の人柄」で人が集まる場合が多いのです。

こういった傾向から考えても、
丁寧な説明や患者との関係を「接客」と考えて一般商業施設並みの対応ができる事が重要なポイントとなります。

対等な関係性

かつては、医者や看護師という医療従事者は患者の上の存在でした。

それは医療従事者が怠慢だったわけではなく、
権威の衣を着ている方が医療機関として信頼性が高いというある意味での顧客満足度の観点からそうだったのです。

しかし、現在は違います。

かつてのように、受付を済ませたあとどれくらい待つかもよくわからないまま延々と待たされるような病院には、
外来患者が在来患者になる要素はないのです。

それこそ、普通のラーメン屋ですら「待ち時間」をしっかり提示しないとリピーターを獲得できない時代なのですから。

徹底した患者目線での顧客満足度の追求

そこで求められるのが徹底した顧客目線、つまり患者目線の経営です。

それこそ、先程言及した待ち時間にしても「○○分ほどお待ちいただきます」の一言が添えられるのか、
その時の受付の職員は笑顔であるのかなどから始めるもの。

医師は、常に細かく丁寧な説明を心がけ、
看護師やスタッフは常に患者目線でその不自由を察知できのか。

毀損の医療機関の経営に馴染んでいると中々むずかしいものかもしれませんが、
これは喫茶店で言うなら来店して着席後すぐに水とメニューが出てくるのかレベルの話。

顧客満足度を高めるサービスという点においては初歩中の初歩なのです。

経営は商売、治療は仁術

かつては、医療が商売に走ることは悪徳であるかのごとく言われた時代があります。

それこそ「医は仁術」という言葉通り、
商売人の如き対応自体が蔑まれる傾向にあったことは否めない事実として存在するのです。

しかし、それは昔の話。

現在、病院であってもきちんとした経営戦略なしには潰れていく時代、
経営にはしっかりと商売の摂理を取り入れなければ生き残れません。

つまり仁術は治療にのみ適応されればよいということ。

経営は、当然のことながら商売としてしっかりとした理念のもとに行われなければいけないのです。

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