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薬害とジャーナリズム、イレッサ問題を考える

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医薬品
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医療機器メーカーの工場長を23年経験しました。 本名は菊地孝仁、匠習作はペンネームです。 設計・製造・品質管理・安全管理まで経験済みです。 私自身、医療機器総括製造販売責任者、医療機器製造管理責任者の資格を有しています。 また、薬機法に関する業務も長年経験しております、QMS、GVP、ISO13485のマニュアル作成・運用まで対応しています。 21世紀のコア産業である、医療機器業界へ参入をお考えの経営者様、お気軽にご相談ください。

薬害とジャーナリズム、イレッサ問題を考える

薬害イレッサという言葉を聞いたことがあるでしょうか。

これは肺ガンの治療薬として登場した新薬「イレッサ」を投与された患者に
「間質性肺炎」での死者が出たことに端を発する薬害問題です。

当然ですが、薬害というのは出来る限り根絶に向けて動かなければいけないものです。

しかし、そこに医学的見地とセンセーショナリズムを重んじるジャーナリズムが混在することで、
問題が複雑化してしまうのも確かな事実。

今回は、そんなことについて考えてみます。

薬害イレッサとは何か

ここではできるだけ医学的専門用語を排して、
薬害イレッサについてまとめます。

夢の新薬として登場

2002年、日本で承認された新薬、その名もイレッサ。

これは、簡単に言えば末期ガンの状態にある肺ガン患者さんの延命や、
苦しみを軽減する効果のある薬として投与されるもので、当初は夢の新薬とまで言われました。

しかし、その直後から、
イレッサを投与された人の中に間質性肺炎の副作用がみられることがわかりその状況は一変。

イレッサの悪名は広がっていきます。

悪魔の毒薬とまで言われることに

イレッサによる間質性肺炎の患者が確認されると、
イレッサは一転「悪魔の毒薬」とまで言われるようになります。

マスメディアや被害者を取り巻く専門家などによって、
薬害イレッサ問題はセンセーショナルに報道、
され、また社会問題として取り上げられていったのです。

そもそも争点は、副作用が出たことではありません。

装填は、副作用が出ることを十分注意喚起されていたのか?に絞られており、
薬害を主張する人たちは、それを不十分と考えていたのです。

結果、イレッサは悪名高い薬として認知され、
現在もその影響は小さくありません。

裁判により国及び企業の責任は否定

イレッサ問題は訴訟によってそのステージがうつってからも大いに報道されました。

しかし、2013年までに、裁判によって薬害イレッサの事件において、
国にもまた製薬会社にも法的責任はないと認定。

ある意味、公的には薬害であったかどうかの正当性も疑われる事態となりました。

そしてそこには、大きな問題が残ったのです。

センセーショナリズムと薬害

薬害の問題は常にセンセーショナルに報じられることが多い。

薬害の難しさが伝わりにくい

薬害というのは非常に難しいものです。

というのも、強いクスリというのはおのずから副作用の危険性をはらんでいて、
そこに対する注意勧告の重要性というのはあるものの、程度については自由裁量であるのが普通です。

それこそ、だいたい何%の副作用が現れたら「重大な副作用の危険性」を言えるのかさえ不明なのです。

特にイレッサの場合は、末期ガン患者に投与されるものでしたから、
その裁量はより難しかったことは言うまでもありません。

数字のマジック

薬害イレッサが取り上げられた時、よく使われたのが死者588人という数字

確かに、これがすべて薬害と言われるものでなくなったのであれば、
それは著しく大きな社会問題といって間違いはないでしょう。

しかし、これをパーセントに直せば2%に過ぎないという見方もできます。

これは、進行性肺ガンに使われる従来の抗がん剤による死亡リスクとほとんど変わらず、
この数字を見ればイレッサによる死亡者が多いのかどうか微妙な問題となってしまいます。

しかし、世間やマスコミが食いつく数字は、前者です。

エビデンスの有無を巡る攻防

薬害イレッサのような場合、マスコミはエビデンスのない印象でもすぐに飛びつきます。

しかし逆に、現場でイレッサを使っているような医師や、
心ある専門家というのは当然エビデンスを重んじますから、
マスコミの意見にも軽々に反論できません。

こうして社会の雰囲気は言ったもの勝ちの意見に流され醸成されます。

そう、世の中が重視するのは医学者や医療関係者の重視するエビデンスではなく、
悪魔の毒薬でひとがなくなったというセンセーショナリズムの方。

マスコミはそれをよく知っているのです。

薬害イレッサから学ぶべきこと

では薬害イレッサから学ぶべきことはなんなのでしょう。

エビデンスの大切さを知る

これまで、薬害のみならず医療過誤や医療事故のニュースというのはセンセーショナルに報じられてきました。

もちろん、そのお陰で多くの人が助かった事例はありますし、
見つかった薬害や医療過誤というものも存在します。

しかし、逆もまたしかりです。

イレッサが悪魔の毒薬なのかそれとも夢の新薬であったのか、
それはセンセーショナリズムではなくエビデンスで語られるべきだったのです。

マスメディアによってもう一つの薬害が生まれないように

イレッサに関しては、その有用性から今も使われています。

しかし、もしかすると、というより一歩間違えば、
このセンセーショナルな取り上げられ方とエビデンスを持たない議論によってその薬は闇に葬られていたのかもしれない。

そう考えれば、それはまさにマスメディアによるもう一つの薬害です。

正しさの選択を

薬害を語る時大事なことは、何をもって正しいとするか、です。

決してセンセーショナルなマスコミの言に惑わされることなく、
正しいエビデンスを持った学術的見地に基づいて考えること。

それが最も大切なことなのです。

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