今こんな時だからこそ読みたい医療の良書

今こんな時だからこそ読みたい『日本の医療、くらべてみたら10勝5敗3分けで世界一』

新型コロナウイルスのまん延で、その安心感が問われている日本の医療。

ワイドショーなどでは、連日のように世界の医療と比べて日本の医療を不安視するような意見も聞かれている中、
きっと多くの方が心配になっていることでしょう。

それこそ、新型コロナウイルスの脅威が去った後のことも含めて、日本の医療は大丈夫なのか?と。

そんな日本人の疑問に答えるのが、本著。

真野俊樹著『日本の医療、くらべてみたら10勝5敗3分けで世界一』(講談社)です。

日本人の医療不信に一石を投じる

日本人の医療不信、それはある意味国民性だといえるのかもしれません。

しかし、本著において一貫して語られるのは日本人の医療不信を払しょくするに十分な、日本の医療の優秀さ。

日本人の医療不信に一石を投じる、事実です。

日本人は医療を信頼しない

本著の中で「世界に冠たる医療不信」と言われるほど、日本は医療に対して不信感を抱いています。

その理由として本著では、大学病院や大手総合病院に見られる待ち時間が長い割には診療時間のみじかい「三分診療」があると言っています。

また。地方開業医の「裕福振り」もまたその不振の原因である、と。
また、薬に対する不信感から、日本人は薬づけにされているなどの危機感もその原因だとしているのです。
確かに、おっしゃる通りで、マスコミも含めてこのような論調で日本の医療を批判する声は小さくありません。

実際のデーターによる徹底した判断

日本人の医療に対する不信感。

しかし、これは、本著の中でも書かれている通りある意味イメージのもので、
では現状に即しているのかと言われればそうではありません。

では現状とはどうやって確認するものなのか。

それは言うまでもなく、データーです。

本著では日本の医療不信の根底にある様々な観点から、データーをもとに徹底究明し、
そしてその結果から導き出される結果としての現状を露出させています。

各国との比較

日本人の医療不信。

この根底にある一つのファクトとして、
海外の医療に比べて日本の医療は送れているという観点は間違いなく存在します。

しかし、これも、ごく一部を見た感想や、
特定の側面から見た結果だと本著では看破しています。

そして、その点に関して、こちらもまた、様々な観点から徹底して各国と、
日本との比較を行うことで日本の医療の世界における立ち位置を検証。

本当に日本は医療不信を招くほど医療水準が低いのかを、
グローバルスタンダードに立って論評していきます。

そしてその結果が、日本の医療は世界一である、という結論なのです。

『日本の医療、くらべてみたら10勝5敗3分けで世界一』各章の内容

では、そんな本著『日本の医療、くらべてみたら10勝5敗3分けで世界一』では何が語られているのか。

各章にわたってその具体的な内容を見てみましょう。

第1章 医療レベルを比較する

本章では、ガンや糖尿病といった国民病ともいえる分野をはじめとした基本的な医療水準について論評しています。

そう言った治療において、日本の医療がどれほど高い水準にあるのか、
また、各国の医療においてはいったいどのような現状があるのかについて詳しくまとめられてもいます。

また、その現状を踏まえたうえで、日本の医療不信の原因にも言及。

日本の医療不信についての誤解やその原因について詳しく論評してあります。

第2章 医療の身近さを比較する

第2章では、一般の国民と医療のかかわりについて述べてあります。

本著ではそのかかわりの在り方を「身近さ」と表現していますが、
つまりは医療と国民の間にある関係性について各国との比較の中で明らかにしていこうということです。

そのなかで、現状の日本の医療と国民の関わり、
そして各国の比較だけではなく、日本の医療の現状における問題点も指摘。

とくに、医師の数や大学研修医の数についての憂慮についても述べられています。

あるいみ、庶民感覚の医療の問題点と現状、と考えてもいいでしょう。

第3章 薬の依存度を比較する

第3章では、これまでと違い日本の医療の問題点が大きくクローズアップされています。

もちろん、薬の価格などにおいて日本の優位点を指摘する内容もありますが、
全体としては日本の医療におけるクスリというものに関して多角的な弱点について述べられています。

本著では徹底して勝ち負けの形で内容を評価しているのですが、薬に関する本章では負け越し。

日本の薬に関する医療の問題点に鋭く踏み込んでいます。

第4章 医療の値段を比較する

日本の医療の価格について迫るのが第4章。

近年高騰する日本の医療費に対しても見解から始まり、その現状に斬り込んでいくのですが、
の本の医療は高いと思っていた人にはかなりショッキングな内容となるでしょう。

また、医者はもうけ過ぎているのかの項目に関しても、同じ思いに駆られるかもしれません。

確かに、本章の中にもあるように問題点はありますが、
この章においても、おおむね日本に医療の優秀さが、データーと現実を踏まえて論評してあります。

第5章 病院を比較する

この章では、病院そのものについて述べられています。

地域格差の問題や救急患者のたらいまわしの問題、
他にも様々な問題について述べられていますが、注目は最後のMRIとCTの数。

現在猛威を振るっている新型コロナウイルスの検査において有用とされているMRIやCT。

医療費増大に関する批判の中でも、導入に規制をかけずにCTやMRIという光学機器の導入が世界より高水準で行われているという現実。

もちろん、医療費と医療機器の充実はトレードオフだとしても、勇気づけられる話です。

第6章 高齢化対策を比較する

日本人の高齢化に対する不安は日々増大しているといってもいいでしょう。

しかし、本章を読めばその不安感の一部はある程度解消されるのではないかとさえ思えるような、
そんな内容が書かれています。

著者も本性の中で述べていますが、まさに超高齢化社会日本の面目躍如といったところ。

今後の高齢化社会に不安のある人には、まず読んでほしい章と言えるでしょう。

第7章 10勝5敗3分けが意味するもの

最終章は全体の総括。

日本の医療の水準の高さ、そして問題点を指摘したうえで、
その水準が世界一にあることが述べられています。

イメージに流されない思考を体感する

本著では、データーと比較という基本的な方法で日本の医療水準の高さについて述べられています。

もちろん、日本の医療水準に関して信頼を取り戻す点でも有益ですが、
同時に、イメージに流されない思考法というのも大いに参考になるでしょう。

そしてそれは今、まさに、日本人に求められている課題だともいえるのです。

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