医療機器業界は一枚岩ではない


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医療機器業界は一つの塊で捉えてはいけない。コロナで見えたその姿

コロナ禍が襲う前まで、医療機器業界は盛況なニュースが続いていました。

言うまでもなく、少子高齢化には歯止めがかからず、
国民の医療に対する関心が進んでいる中で、
国策の助けもあって医療機器業界は順風満帆だったんですね。

しかしコロナ禍を経て、医療機器業界もまた変わりつつあります。

そこで見えてきたのは医療機器業界を一つの業界で見てはいけないという真実です。

アメリカ大手企業の業績から考える

医療機器業界大手ジョンソンエンドジョンソン(以下J&J)とアボットラボラトリー。
この大手2社が、コロ中の最中であった4~6月期の業績を発表しました。

業績は大幅回復

4~6月期、いわゆる第2四半期の業績を発表した両社。

その結果は、最悪期を抜け回復傾向にあるとして、大方の予想を上回り調整御利益見通しを上方修正し、
アボット社は一旦撤回した通期見通しを改めて発表するに至りました。

これは、新型コロナ向け検査製品の早期取り組みが功を奏した形となったということ。

新型コロナによって検査キット不足が叫ばれていた社会においては、
当然の見通しということになったのですが、問題はそこではありません。

コロナの最中に、米大手が経営の最悪期を迎えていたという事実こそがポイントです。

医療崩壊の懸念とはある意味医療が盛況であったということ

新型コロナの影響で、医療崩壊が危惧されるような状況が各国で続きました。

しかし、不謹慎な発言であることを覚悟の上で言えば、
医療崩壊が進むほどの状況はある意味医療機器業界にとっては盛況であるという証左。

極端なもの不足に陥った業種に関しても、
その後の需要は経営的には大きなプラスであったことは間違いありません。

そして、それは当然の帰結です。

コロナ禍に見舞われた世界において、
経済の牽引役を医療機器業界(医療業界)に求めていたとしてもおかしくはないのです。

米国大手は業績悪化に苦しんでいた

そんな中、医療機器業界米大手である2社が最悪期を迎えていたという事実。

主な原因となったのは、コロナ禍における医療機関の飽和とその感染の内容が不明であったために、
多くの外科治療が中断されたことにあるということです。

つまり、手術が中止されることによって、
その間の売上が激減したということ。

同じ医療機器業界、それも米大手という世界有数の企業であっても、
コロナ禍においてそのような状態にあったというのは驚きを禁じえません。

しかし、事実、苦境に立っていたのです。

当然業績の上がった企業もある

コロナ禍において、当然業績の上がった企業は存在します。

マスク業界などはやはり好調

やはりコロナ禍における業績好調の企業と言えば、マスク業界でしょう。

マスク業界は厳密に言えば医療機器業界ではありませんが、
医療機器業界がまったく噛んでいない業種ではなく医療機器業界のマスク参入も取り沙汰されています。

ドラックストア大手キリン堂によればマスク・消毒用アルコールなどのおかげで純利益が3~5月期で2.4倍になっています。

今後ウィズコロナの時代となり、
ソーシャルディスタンスが当然のように求められる時代となれば、この好調は安定的に続くと言えるでしょう。

遠隔医療関連も好調

もう一つ好調なのが遠隔医療業界。

在宅健康診断デバイスと遠隔診療コンサルタントアプリのプロバイダーTytoCareが累計調達金額を1億500万ドルまで積み上げ需要の急増を裏付けました。

これはもちろん、医療機関での感染に対する懸念からのもの。

しかし、遠隔医療はもともと僻地医療の進展や人口減少による病院経営の観点などから、
コレまでも発展を続けてきた分野でもあります。

つまり、コロナ化が起爆剤となって一気に進む可能性がある、と言えるのです。

医療機器業界を一つにくくってはいけない

医療企業会を考えるとき、つい一つの大きなククリで考えがちです。

しかし、コロナ化を経て、医療機器業界もまたそこに需要と供給、
そして社会状況の際による違いが明確に存在することがわかってきました。

専門分野であるがゆえに陥りやすい錯覚

医療機器業界と言えば、それは大きな一つの業界と考えてしまいがちです。

しかし、それはムリもないことで、医療機器というある種閉鎖的な特殊な業界であることから、
そこに当然ひとつの境界線を引きたくなるのは人情です。

しかし、それは、ある意味錯覚と言えるもの。

医療機器業界は、思いの外広く多岐にわたっているという事実はしっかりと捉えておく必要があるでしょう。

ガーゼから大型機器まですべて医療機器

医療機器業界への参入を考えるとき、まず注目すべきはその多彩さです。

一般製品の中小企業や町工場が、医療機器業界に参入できるのも、
実はその多彩さに支えられていると言っても過言ではありません。

そう、医療機器とはガーゼ一枚から大掛かりな機械まで包含する業界なのです。

医療機器業界を考えるとき、この視点は忘れてはいけません。

言うまでもなく、ガーゼを製造する会社とMRIを製造する会社では、
その顧客も需要もまったく別で、ほとんど違う業界の感覚であると言ってもいいでしょう。

時流を見るときは細かく分析する

例えば、今後大きく発展すると見られるのが国内の医療機器部品メーカー。

その理由は言うまでもなく、中国一辺倒に傾いていたサプライチェーンの脆弱さが露呈し、
新型コロナウイルス感染症で鎖国状態になった際に大きな痛手を負ったからです。

他にも、ウィズコロナの時代に成長する医療機器の分野は多岐にわたるでしょう。

そして同時に、ウィズコロナの時代だからこそ低迷する業種もでてくるはずです。

全体としてみれば、間違いなくウィズコロナの時代は医療機器業界には追い風になるでしょうし、
そこに少子高齢化が追加されればかなりの上げ潮傾向は予想できます。

しかし、それはあくまで全体の話。

参入を考えるのであれば、細かい分析のもと、個別の事例をしっかり見つめる必要があります。

アフターコロナを救う業界で活躍するには

医療機器業界は、間違いなくアフターコロナの時代を救う業界となるでしょう。

初期の頃言われていたように、自動車生産大手が人工呼吸器をもって医療機器業界に参入したように、
今ではフェイスシールドの生産などにも、多くの企業が参入しつつあるのがその証左です。

しかし、だからこそ楽観視は禁物。

医療機器業界を全体として捉えるのではなく、細かく、分野を絞って見る目を持つことで、
今後の動向をしっかりと把握していきましょう。

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