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アビガンで思い出すサリドマイドの悲劇

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医療機器メーカーの工場長を23年経験しました。 本名は菊地孝仁、匠習作はペンネームです。 設計・製造・品質管理・安全管理まで経験済みです。 私自身、医療機器総括製造販売責任者、医療機器製造管理責任者の資格を有しています。 また、薬機法に関する業務も長年経験しております、QMS、GVP、ISO13485のマニュアル作成・運用まで対応しています。 21世紀のコア産業である、医療機器業界へ参入をお考えの経営者様、お気軽にご相談ください。


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アビガンで思い出すサリドマイドの悲劇

新型コロナウイルスのまん延で注目を浴びた、
アビガン(一般名ファビピラビル)という薬があります。

はじめは夢の新薬のように言われていましたが、
現在ではほとんど触れることがない、そんな状況の薬剤となってしまっています。

まず、今のところ有効性が認められないというのがその一つの原因です。

そして、もう一つは催奇形性の問題です。

つまり、奇形の赤ちゃんを発生させてしまう恐れが副作用としてあるということですが、
この話を聞いて想起されるのはサリドマイド。

そこには、驚くほどの共通点が存在します。

サリドマイドとアビガン:抗インフルエンザ薬として

まず、サリドマイドとアビガンの共通点の最初は、
それが抗インフルエンザ薬であったということ。

サリドマイドに関しては、そののち睡眠薬として、
次第につわり防止剤や胃薬として販売されるようにもなり、
西欧諸国や日本において爆発的に流行しました。

アビガンに関しては、抗インフルエンザ薬としては副作用もあって日の目を見ずに終わっています。

しかし、そののち新型コロナウイルスに効果があるとして脚光を浴びたのは周知のとおりです。

サリドマイドとアビガン:副作用

サリドマイドとアビガンの共通性を語るうえで忘れることが出来ないのが、その副作用です。

両者に共通する催奇形性という副作用は、
前述のとおり新生児の奇形を引き起こしてしまうという深刻なものですが、こ
れは男性の方にも注意が必要なものです。

アビガンを語る時、サリドマイドが引用される場合が多いのはこれが一番の原因と言えます。

サリドマイドとアビガン:拙速な承認

サリドマイドの承認

サリドマイドがこの世にあらわれた頃、
世界的に薬の承認の意味合いは今とは違っていました。

現在は、こうはもちろんのこと副作用など多角的な知見が行われ、
むしろ効果よりも薬害といった副作用の確認という色合いが強い場合もあります。

しかし、当時、薬の治験とは「不良薬」の摘発が主でした。

つまり、まったく価値のない薬や偽薬、違法に製造された薬や違法薬物の使用、
医薬品のクオリティーの確保がその主眼とされていたのです。

結果、サリドマイドはろくな臨床試験もないまま拡大していったのです。

アビガンの承認

もちろん、現在はサリドマイドのようなことはなく、
しっかりとした治験が繰り返し行われます。

アビガンも、その中で催奇形性という副作用が見つかったのですし、
その点においては、これまでの薬害がもたらして悲劇の教訓は生きていると言えます。

しかし、新型コロナウイルス禍の中で、その担保が危機に陥っていました。

世界中に訪れた緊急事態の中で、
アビガンが日本において拙速な承認に向かっていた事実は、覚えておく必要があるでしょう。

サリドマイドとアビガン:サリドマイド事件とは何だったのか

サリドマイド事件とは、
ろくな臨床もないまま世界に広がったサリドマイドによる世界最大の薬害事件です。

数字は調査機関などによって前後しますが、一般的にはドイツを中心に3000人以上の奇形児が誕生し、日本においても300人を超える被害が出たとされます。

アメリカでは、FDA(米国食品医薬品局)によって、
国内でのサリドマイド剤の販売を禁止。

しかし、にもかかわらず、研究と称して2万人近い患者に配布され、
最終的な被害数はわかりませんが、600人を超える妊婦の手に渡っていたとされています。

しかし、これにより、世界の薬事行政に大きな変革が起きたのは確かなこと。

それまで一般医薬品と医療用医薬品の区別さえなく、
不良品の回収も積極的に行われていなかった世界で、
サリドマイド事件の衝撃は大きくその方向性は転換。

現在に通じる厳格な薬事行政が世界各国で推進されていきました。

サリドマイドとアビガン:薬としての真価

サリドマイドは現在も現役の薬です

深刻な事件を引き起こしたサリドマイド。

しかし、そこにあるのは副作用に対する無知であり、
軽視であり、決してサリドマイドという薬が「有用性の認められない」クスリではなかったという点は重要です。

じっさい、現在において、サリドマイドはハンセン病や多発性骨髄腫に有効であることがわかっています。

特に多発性骨髄腫においては治療薬として承認され、
副作用に十分な注意をしたうえで運用されている薬です。

アビガンは終わった薬ではない

同様にアビガンも、終わった薬となるにはまだ早いものです。

今回、コロナウイルスに関して有用性が認められないとされましたが、
それはまだ初期段階の臨床でしかありません。

今後の研究次第では、効果ありとされる可能性もあります。

また、サリドマイドのように他の病気に有効性が認められることもあるかもしれません。

サリドマイドからアビガンを考える

サリドマイドの薬害事件は、決して忘れていいようなものではありません。

そしてそれは、今日の薬事行政にしっかりとして教訓として生かされ今が存在するわけですが、
忘れてはいけないのは、そのプロセスでもあります。

なぜ、いま薬の承認が慎重に行われるのか、という点も重要なポイント。

そして同時に、サリドマイドが今この瞬間も病気の人の助けになっているという事実も忘れてはいけません。

サリドマイドからアビガンを考える。

それは、アビガンのもたらす未来の「善」と「悪」両面において重要なことだといえるのです。

そもそも、全ての薬は、あるいみ「毒」です。

抗がん剤は、毒だからがん細胞を殺すことができるのです。

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