医療機器業界の未来


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医療機器業界の未来、リスクという壁について考える

医療機器業界の未来は明るい。

コロナによる医療業界に対するプラスイメージ、そして予防医学への注目、
それ以前からある少子高齢化の流れなど、
その見解に異論の挟む余地はありません。

しかし、日本の医療業界の国際競争力と言えば、これは未だ不足気味です。

診断機器の分野では大きなシェア率を誇るものの、
より大きな利益を生み出し治療機器分野においてはかなり苦境にあると言っていいでしょう。

では、なぜそうなっているのか。

それは、リスクという大きな壁がそこにあるからかもしれません。

診断機器分野では強い日本企業

医療機器の中でも、
特に診断機器については日本は大きなアドバンテージを持っています。

エコー、CT、MRI、内視鏡においては世界有数

日本の医療機器において検査関連の医療機器は、かなり優秀です。

とくに、エコー、CT、MRI、内視鏡においては、
ほぼ世界のトップシェア国として存在していて、
中でも内視鏡に関しては99%が日本製。

まさに独擅場と言えます。

高い技術力と異業種の力

日本が診断機器において強い力を持っているその理由は、
言うまでもなく技術力です。

そして、その技術力の根底を支えているのが、異業種、
もしくは異業種をグループ内に持つ企業体の力です。

カメラ企業であるキヤノンやオリンパス、
そして家電メーカーの東芝(現在医療機器部門はキヤノンの一部)などのもつ、
高度な技術がその裏打ちとして存在しています。

治療機器分野において弱い日本企業

医療機器においても、治療機器に関して日本は弱点を抱えています。

治療機器部門は国内シェアすら危うい

日本の医療機器における治療機器分野は、
世界に比べるとかなり弱いというのが現状。

人工透析など、国内シェアの高いものもありますが、
全体的に治療機器のシェアを見た時、
国内シェアですら7:3の割合で海外企業に押されているのが現状です。

当然世界シェアにおいてはほとんどの分野でシェア率0%前後と存在そのものがないと言える状況です。

技術力に差があるわけではない

治療機器分野の低迷に技術力の差は殆ど関係ありません。

確かに、異業種参入で診断機器分野の技術力は高い傾向にありますが、
たとえばニーズさえあれば人工透析機などの治療機器は世界トップレベルの技術絵力を誇っています。

というのも、そもそも日本の工業的技術力は世界トップレベル。

治療機器の分野においてだけ低くなるということはありえません。

リスクという壁に阻まれる治療機器分野

技術において診断機器分野に劣るわけではない治療機器分野。
その大きな壁は、リスクです。

投資リスクという観点から見る治療機器

まず、診断機器分野において大きな勢力を誇る会社。

これらは、一般の人にも聴き馴染みのある会社名であり、
日本の技術力の高さを80年代以降世界中に知らしめてきた会社でもあります。

それだけに、それが医療機器の分野であったとしても投資リスクが低いという点があります。

これは一般投資家だけではなく、企業そのものの内部投資においても言えることで、
一定のネームバリューと信頼感があることでこの分野への投資はローリスク。

一方治療機器に関して言えば、テルモやニプロなど、
やはり診断機器分野の大手に比べてネームバリューが劣るのは否めない事実です。

個人としても企業としても、そこに対する投資リスクは頭を過るところです。

訴訟リスクという観点から見る治療機器

診断機器は、ある意味、命には大きく関わらない分野です。

もちろん、正確な診断ができなかったことにより医療過誤などは起こりえますが、
それでも実際治療に使う治療機器と比べればそのリスクはかなり小さいと言っていいでしょう。

そう、治療機器はこの医療過誤による訴訟リスクといつも背中合わせなのです。

これは、実際に使用される場合だけではなく、
開発段階における治験などにおいても、
この訴訟及び補償リスクというのは常について回ります。

国内では当然海外においてはそのリスクはかなり大きいと言って良いもの。

相当な企業体力がなければ難しいものとなります。

リスクテイクが望まれる治療機器業界

しかしながら、
このままでは日本の治療機器における国際的な影響力は低下する一方です。

それどころか国内においてさえ、
世界企業に対してこうする能力を失うと言ってもいいでしょう。

そこで必要なのはテイクリスクという覚悟。

つまりは、リスクを恐れずに挑戦するということなのですが、
もちろん感嘆なことではありません。

少なくとも企業単体でできることではないのです。

リスクテイクのためにできること

最も望ましいのは、産官の連携。

つまり、資金面、そして万が一の補償面において国がバックアップを十分に行うという視点です。

これは、現在も各省庁において行われていますが、
その矛先は開発に向きがちで、結果十分でないのは言うまでもありません。

また、大手企業によるM&Aというのも大きなポイント。

万が一のリスクに対して耐えうる体力を持つ大手企業がM&A等によって主体となることで、
大胆なリスクテイクを取れる側面はあります。

いかに、治療機器業界がリスクを取れる環境を作れるのか。

それが今後の日本の医療機器業界全体を左右するのかもしれません。

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