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南杏子:『サイレント・ブレス』

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医療機器メーカーの工場長を23年経験しました。 本名は菊地孝仁、匠習作はペンネームです。 設計・製造・品質管理・安全管理まで経験済みです。 私自身、医療機器総括製造販売責任者、医療機器製造管理責任者の資格を有しています。 また、薬機法に関する業務も長年経験しております、QMS、GVP、ISO13485のマニュアル作成・運用まで対応しています。 21世紀のコア産業である、医療機器業界へ参入をお考えの経営者様、お気軽にご相談ください。


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終末医療を描いてなおエンタメ『サイレント・ブレス』

人間にとって、避けることのできない現実それは『死』です。

あまりに当然ですが、今のところ死を避けることは出来ません。

そしてそれは自分だけではなく、親しい人、家族、愛する人、
そんな離れがたい人たちの上にもかならず訪れるものです。

本作『サイレント・ブレス』は、そんな死にゆく人達の姿を描いた作品です。

在宅で行われる終末期医療にスポットを当て、
最後のひとときをそれぞれの目的をもって過ごしていく人達の姿を描いた短編集の体裁を取る作品です。

しかし、すべての作品は大きな流れによって、ひとつのまとまりを持ってもいます。

人によっては大きな衝撃と、重い気分にさいなまれるかもしれません。

ただ、この小説は本当に面白い、エンタメとしても最高のできです。

死を見つめる短編集

本作の主人公は大学病院総合診療科に努めていた女性医師。

左遷人事と本人が感じる人事によって、
小さなクリニックへとその職場を変えることとなります。

そして、そこで、死を迎える人達の姿を次々と見つめるという医療に従事するのです。

そこにあるのは、なお水量ではなく、
死を迎える人たちを穏やかに送り出すという医療の姿。

そんななかで、主人公はそれぞれの歯になにを感じ、
なにを見つけていくのか。

本作は、そんな子を見つめつづける医者の、
それぞれの使徒の関わり方を主眼に展開していくお話です。

特異な経歴を持つ現役の医者がかいた小説。

作者は南杏子氏。

4年制大学家政学部被服科を卒業後、
出版社に勤務するも夫の転勤に伴ってイギリスに転居。

その後、記者として医療関係の記事を取材し執筆したことから医療に関心を持ち、
大学の医学部に学士編入、更に大学病院にて老年内科勤務を経たあと、
今度はスイスにおいて医療福祉互助会顧問医として勤務。

その後、帰国とともに終末期医療専門の病院に勤務、そしてそのまま小説家デビューという経歴。

そして、本作がその作家デビュー作となります。

一般的にデビュー作は外れることが多い業界の中で、
なにか受賞したわけでもない普通の作品として出版された本書は、
異例のヒットを飛ばし、2年足らずで文庫化されました。

その要因は、なんと言っても現場を知っている人間だからこそ掻くことのできる医療の視点。

想像ではなく、本当に終末期の患者と相対してきた筆者だからこそかける生の感覚と、
絶妙で丁度いいミステリ要素があいまった作品です。

心に迫るそれぞれの死

本作の登場人物、その中心的な人たちはみな死を迎えます。

終末期医療を描く上で当たり前のことではありますが、
その現実の重さは胸に迫るものがあります。

様々な死と、その迎え方

全6篇からなる本作。
そのほとんどで、様々な形で死を迎えようとしている人たちが登場し、
そして、それぞれの価値観の中で残された時間を過ごしていく姿が描かれていきます。

そしてそのすべては、死という共通点を除けば本当にまったく違う死への向かい方を見せてくれるのです。

それはさながら、死という避けがたい現実のあらゆる可能性を読者に提示しているようにも捕らえられ、他人事ではない圧力を感じます。

死を迎える人たちの家族の姿

様々な死を迎える人たち。

そして当然その周りにはそれを見送る人達の姿も、書かれます。

死を目の前にしてなにかをなそうとしている当事者の意図を汲み取れずオロオロする人、
最も良い選択を願って奔走する人、そして悪意を持って利用する人。

そんな様々な人達が、中心にある死というものをそれぞれの目線で見つめていく。

それは、むしろ、死そのものよりもわたしたちにとって大切な知的経験になるのかもしれません。

このテーマでエンタメ作品として面白い

直接的に死を描かない作品でも、
人身売買の話だったりと重たいテーマの本作。

ただ、そのテーマでありながら作品全体としては、
本当にスッキリと優しい雰囲気に包まれてもいます。

そして、掛け値なしに面白い作品なのです。

ケイズキッチンというインターバル

全体的に重い話が続いていく本作。

その中で、行きつけのバーであるケイズキッチンという場所の存在は非常に大きな物となっています。

それが、死というものである以上、
死に向かう人達の気持ち、そして死を迎えた家族の行動。

そういったものは、結局最後までなんとなくモヤッとした感じになってしまいます。

しかし、その後、ケイズキッチンで出来事を振り返り、
そして回想することで、もしくは新しい事実に気づくことで話がスッキリとまとまりを持つ。

これは、非常に大きな効果を持っています。

絶妙なミステリー要素

ただ、死にゆく人達の最期を描く。
それだけでは、それはただのルポルタージュでしかありません。

本作を、しっかりと小説として立たせてくれているもの、
そして、この内容でありながら極上のエンタメ足らしめているもの、それはそのミステリ要素。

この、丁度いい分量と濃度を持った謎解き要素が、本作を面白くしてくれているのです。

なかば目隠しされているかのように、死にゆく人たち、看取る人たちの行動を見せられ、最後にその理由がわかる。

この爽やかな快感こそ、本作の真骨頂です。

面白いと思える奇跡

死を見つめ、死を考え、死を突き詰める。

時に、医療用語が頻出し、中には読んでいて目を背けたくなるような描写もある。

それなのに、きちんと小説として面白い、いや、かなり面白い。

作者の経験に基づくリアリティーとストーリーテラーとしての実力に感服する作品です。

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