仙川環作品おすすめベスト10!


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今だから絶対に読みたい!仙川環作品おすすめベスト10!

新型コロナウイルスによって、無理矢理に目覚めさせられた世界と日本。

これまで感染症はもちろんのこと、医療に全く興味のなかったひとまでが、
感染症対策や予防医療を始めとして、様々な医療の分野に興味を持つようになりました。

PCR検査と言って国民のほとんどに意味が通じる世界なんて誰が予想したでしょう。

ただ、今のこの状況だからこそ、驚きを持って迎えられるべき作家がいます、それが仙川環その人。

2000年代初頭から、まさに今のこの時代を予見していたかのような作品の数々を世に贈り続けてきた仙川環さん。

ここでは、そんな仙川環作品のおすすめベスト10、つまりはマスト10をご紹介します。

作家:仙川環

仙川環は1968年生まれ。
医学部卒で修士号を取得後、そのまま研究医として細胞やタンパク質、
バイオテクノロジーの研究に身を投じます。

その後、日経新聞社の記者に転身。新聞記者として活躍。

2002年に執筆した「感染」が小学館文庫小説賞を受賞すると、
新聞記者から小説家へと転身。そのためか、小説の主人公にはときどき新聞記者が登場します。

医学生、大学研究医、そして新聞記者という異例の職歴による経験を生かした医療系サスペンスの名手として、
今日までに様々な作品を世に送り出しています。

【10位】すべての原点は読んでおきたい 『感染』

感染
概要
幼児の失踪から始まる本作。

その子の父親の妻である主人公はウィルス研究所に勤める研究員葉月は、
夫と前妻の子であるその少年の失踪事件に関わっていきます。

そして、その失踪にまつわる臓器移植の問題。

仙川環の処女作であり、その筆力を世間に知らしめた作品です。
1級のミステリ、仙川環の原点として読んでおきたい。

作品の魅力、それはミステリとしての出来が一番。

しかし何よりも本作は、
仙川環という作家がこの世に生まれるきっかけとなった処女作です。

仙川環という作家が登場したその記念すべき作品。

面白いことは請け負いますので、
ぜひ読んでいただきたい作品です。

【9位】情報化社会の見える落とし穴 『極卵』

極卵

概要
物語の発端は、卵による食中毒事件。

自然養鶏で作り出した高級卵による食中毒事件で、
主人公であるジャーナリストの女性はその原因究明に乗り出していきます。

そこに見えてくる、社会正義という名の暴力、企業の論理。

食中毒問題を通じて、今の社会の抱える病理に踏み込んでいくのです。

情報化社会の見える落とし穴たち。

食中毒問題という社会的に注目度の高い事件を扱う本作。

その中で、マスコミ、匿名の市民、そして、
そんなものが生み出していく『耳障りの良い正義』という名の極論。

その極論に翻弄され同調する人、それに生活を壊されていく人。

そこにあるのは、今、まさに社会で起こっている出来事そのもの。

今の社会における情報の扱い方を知る上で、ぜひとも読んでおきたい作品です。

【8位】切なくなるほど考えさせられる一作 『幸福の劇薬 医者探偵・宇賀神晃』

幸福の劇薬
概要
医者探偵・宇賀神晃シリーズの1作目です。

本作は、医者探偵・宇賀神晃がアルツハイマー治療薬について迫っていく作品。

一つの事件をきっかけにその治療薬の本質に迫っていく医者探偵・宇賀神晃。

そのさきにあるのは、切なくなるほどの現実です。

秀逸なミステリと割り切れない現実。

まず本作は2点3点ミステリとして非常に良くできた作品です。

そして同時に、医療というものの正当性、
そして人間の幸せについて深く、そして鋭く切り込む作品でもあります。

高齢化社会において、避けて通ることのできない問題であるアルツハイマー。

その現実の前に、たどり着く一つの真実。

その真実を知ったとき、あなたは、
切なくなるほどの現実と割り切れない思いを抱えることでしょう。

【7位】今世界が最も必要としている作品 『鬼嵐』

鬼嵐
概要
父親の後を継いで地方都市のクリニックに勤務している主人公。

主人公はその地方都市で、
まるでエボラ出血熱を想像させるような死に様を呈する患者の死亡に遭遇します。

一度は、それを感染症ではないものとして処理してしまうも、
疑いが払拭できない主人公。

しかしその疑いは現実のものとなり、
その地方都市は未知の殺人ウイルスの恐怖にさいなまれることになるのです。

今世界で起こっている出来事を彷彿とさせる作品

未知のウイルスに侵された地方都市。

その地方都市において、それが未知であるからゆえの偏見や差別が当たり前の正義の皮をかぶって横行するさまは、
まさに今の世界を見ているような感覚に襲われます。

そう、ここに描かれているのは、正に仙川環による予言とも言うべき世界の縮図。

世界の、新型コロナウイルス蔓延によるアジア人差別、日本国内における中国人への偏見。

それを予見したかのような本作の内容は、まさに今の世界に必要な一冊なのです。

【6位】誰もが知っている病気の本当のおそろしさ 『再発』

再発
概要

どこにでもある地方都市、そんな都市の町医者としてやってきた主人公。

物語は、そんな地方都市において起こった一つの変死事件をきっかけに幕を開けます。

はじめは、ただの酔っ払いにの変死だと思われたその真相は、
なんと狂犬病による死亡だったのです。

発症してしまえば100%の致死率を誇る恐怖の病と戦う、都落ちした町医者。

誰もが知る病の本当の恐ろしさが上手く表現された作品です。

死病の恐怖に支配された人間の姿。

新型コロナウイルスでわたしたちが目の当たりにした、社会のパニック。

もちろんそれはコロナウイルスの致死率や、
様々な情報がしっかりと与えられたことにより軽微なものですんだと言っていいでしょう。

しかしそれが、致死率100%に狂犬病であったらどうなのか。

正しい情報がしっかりと提供されない、地方都市であったらどうなのか。

その答えが本作の中にあります。

むしろ病気よりも恐ろしいと言える、人間の姿。

感染症というものがもたらす恐怖の一端を見ることのできる作品です。

【5位】フィクションのような現実への恐怖 『人体工場』

人体工場
概要

とある大学生が、その報酬の良さから手を出してしまった治験バイト。

薬の効き目などを確かめる目的で行われるその治験バイトから始まる事件が、
本作のスタートになります。

断っておくと、一般に行われているほとんどの治験バイトは安全なものです。

しかし、この大学生は、治験バイトを受けた際に大量の尿蛋白が発覚し、
そのことで事件へと巻き込まれてゆきます。

そしてその先にあるのが表題の通り『人体工場』という一見恐ろしい企みだったのです。

人体工場という現実にある恐怖

本作を読み進めていくことで出会う『人体工場』という現実。

これは人間の体を用いて、文字通り工場とすることで、
その体内で治療などに有益な成分を製造しようというSFじみた行為のことを言います。

これだけを聞けば、暗ンという非人道的な行いだろうと憤慨する人も少なくはないはずです。

しかしコレは、実は現実に存在する技術なのです。

人間の体で作られることによて、
人間に対して非常に親和性の高い物資を作ることができるこの人体工場というシステム。

それにまつわる事件を解決して行く過程で提示される様々な真実。

読者は、これを単なる悪だとして片付けることはできなくなるはずです。

知ること、考えることの大切さに気づく。

一見、どう考えても悪でしかない人体工場。

しかし、読み勧めていくうちに、本当にそれは悪なのか、
人間にとって必要な手段なのではないかと思えるシーンが何度も登場します。

そして気付きます。

私たちは、それを知らないままでいていいのだろうか?と。

本作では、何も知らない一人の大学生が真実を知っていくことによって、
また、事件の渦中に巻き込まれることによって、その正邪について考えてゆきます。

同じように読者も、その過程で知ること、考えることの価値に気づく。

本作にはそういう力があるのです。

【4位】生のリアルを感じさせてくれる良作 『聖母』

聖母
概要

子宮がんによる子宮摘出で子供を持つことのできない一人の女性。

本作の主人公であるこの女性が、
子供を持てない苦しみの中で一つの光明として『代理出産』にたどり着くことでこの物語は始まります。

時に希望を感じ、時にすがり、時に疑い、
代理出産という方法とその重みのなかで悩み惑う主人公。

様々な出来事と経験をへて、主人公がたどり着いた結論とは何なのか。

生まれるということ、生むということを通じて命について深く切り込む作品です。

命について考える。

前段で紹介した『無言の旅人』は、
死について考えさせられる作品でした。

対して本作は、その物語前編を通して、
徹底的に『命』とは何か『生』とは何なのかについて考えさせられる作品となっています。

『代理出産』という一つのキーテーマを軸として『命』の意味を様々な観点から突きつけてくる本作品。

本来、誰にとっても平等で、当たり前に存在する命。

その生命がいかに、あやふやな概念の中にあるのか、
この作品によって突きつけられるその究極の問いに、当然答えなどありません。

ミステリという形式の中で、
本作内で起こる事件にはたった一つの答えが用意されています。

しかし、この物語の本質は、
答えのでない問いの方にあるのです。

当たり前を答えの出ない問いとしてぶつけられる快感。

本作では、命だけではなく、家族、倫理、正義、生き様、
様々なものに対して次々と考えさせられる出来事が起こってゆきます。

そして、そのすべてに明確な答えは存在しません。

単純な正義ではなく、またわかりやすい価値観でもなく、
その人の存在する立場や考え方によってどのようにも見えてしまう、
そういった本来明確でなければならない物たち。

命は大切です、子供は宝です、家族は素敵です。

そんなものでは到底片付けることのできない、
リアルな『生』への問いかけの連続こそが、この作品の素晴らしさなのです。

【3位】死を見つめることを少しだけ優しくしてくれる 『無言の旅人』

無言の旅人

概要

一人の若者が、交通事故によって植物状態になることから始まる本作。

主人公となるその婚約者である女性は、そんな愛する人間の尊厳死、
つまり、延命治療を中止する決断という場面に遭遇することになるのです。

様々な角度から見つめられる死、その死に対する様々な思い。

そして、そこに起こる家族との軋轢、そして一つの事件。

物語は、州刺史を見つめ続けることによって進んでゆくのです。

目を背けてはいけない、目を背けたい存在『死』

命を見つめる作品はたくさん存在します。

しかし本作は、徹頭徹尾、これでもかというくらいに『死』を見つめ続ける作品となっています。

その主眼が尊厳死とそれにまつわる様々なトラブル、
そして事件なのですから、そこは避けて通れないものです。

そして尊厳死とは、普通に身内の死や愛するものの死に立ち会うよりも、
何倍もの圧力と強制的な力をもって死に対面させられる、究極の死との対話。

生きているこの瞬間、このとき。

人間が最も背を向けていたい『死』という概念、
でありながら絶対にそむけて履けないその『死』という現実。

読者は、この物語を通して、その死に対面することを強いられるのです。

物語の力によって優しく対面する死。

本作は、当然小説です。

ミステリとしてもしっかりと楽しむことができる、一編のフィクションです。

もちろん、仙川環作品に共通する、
残酷なまでにリアリティを追求した医療の描写によって現実味をもって迫ってくるものはありますが、それでもこれは作り話。

しかし、だからこそ、読者は少し心の余裕をもって死について考えることができるのです。

そして、本書を読み終わったあと。

きっとあなたは、生きることにその目を向けて、
一つの感動を手にすることができるはずです。

【2位】卓越した物語の快感 『逃亡医』

逃亡医
概要

本作は、一人の元刑事が子供の父親探しを頼まれることから始まります。

そこに絡んでくるのは臓器移植にまつわる様々な問題。

一人の男を追いかけていくうちに明るみになってくる様々な真相と、そこにまつわる登場人物たちの人生模様。

そして、最期に、枝分かれし広がっていった事件が、スルスルとひとつの結論に収束していきます。

ストーリーテリングの最高峰。

物語を通して、医療を中心とした社会への問題提起がその主眼となることの多い仙川作品。

そんな中、本作は、巧みなストーリーテリングの能力によって、
これぞミステリと言ったストーリーの面白さをしっかりと感じさせてくれる、仙川作品の中でも出色の一作。

ミステリーを求めている読者が一体どんな展開に喜びを見出すのか、
どういう物語の運びに快感を感じるのかを知り尽くした上で、その上を超えて来るその筆力。

そして、その中に様々な人生の機微を見せてくる構成力。

真実を追い求める元刑事の主人公、
その恋人、追われている男、その家族、様々な人間のじん生も夜雨の全てに感じる人間としての共感。

ただしっかりと物語を楽しみたい。

そんな人には、是非におすすめしたい作品です。

人生の面白さを如何なく表現した作品。

本作の特徴は、まさに人間模様へと深く切り込んでいくその面白さ。

多くは、ネガティブなものになるのですが、
そんな人生の転機や選択において、人は何をどう思い、どうしてその選択を取るのか。

人間と人間か関わる中で、
そこにどんな人生の火花が飛び散るのか。

そして、最期。

驚愕の真実を前に、人間は何を思いそして、
主人公たちはどんな人生を選択していくのか。

そんな、人間の面白さこそが、本作のおすすめポイントです。

【1位】社会の本当の価値を問う 『疑医』

疑医
概要

本作は、自然療法を持って脳疾患を治そうという医者とその真実を追う記者との話。

一度は自然療法を行うという医者に感銘を受けその医療の後押しをするような記事を書いてしまう記者が、
様々明らかになってくる事実を前に、その方針を転換。

真実に向けて奔走する作品です。

仙川環の真骨頂を見るならコレ。

一人の女性記者が疑わしい医者と対峙し自ら真実を解明するべく奮闘する物語。

まさに、医療と新聞記者、その両方の経験がある仙川環にしかかけない、
その真骨頂が見られる作品であり、今の時代には欠かせない善悪の判断という難しい課題にまで踏み込む傑作です。

それを可能にしているのは、その現場にいたからこそ描くことのできる圧倒的リアリティ、

そして、同じくその現場にいたからこそわかる、現代社会が情報に対してもってしまった不安と欺瞞。

仙川環だからこそかける、医者の論理と記者の目をもった作品です。

正しさの根拠を失った時代に。

本作を、おすすめのトップにもってきたのは時代との合致。

現在、日本のみならず世界は、
かつてのように単一の情報源からもたらされる単一の情報だけではなく、
様々な方向から様々な情報を得て成り立っています。

それがエンタメやゴシップならまだしも、
新型コロナウイルスやそのワクチンに関して起こった現実の騒動を考えれば、
それはまちがいなく命の分野にさえ及んでいると言えます。

そして、その弊害もまた、私達は今まさに見ている最中です。

本作内で起こっているような真実と真実のせめぎ合い、
正しさと正しさのマッチアップは、今、様々な場所で起こっているのです。

まさに、現代社会における仙川環作品のマストな一冊のトップにもってくるべき作品です。

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