医療機器製造販売業の許可更新|5年ごとの期限・手数料・東京都の窓口

医療機器の製造販売業許可を取ったあと、5年目に何をすればよいかが社内で引き継がれていないという会社は少なくありません。許可を取った担当者がいなくなり、許可証をしまい込んだまま有効期間が近づいている、という状態です。

更新を忘れれば許可は失効し、その時点から製造販売はできなくなります。この記事では、東京都で医療機器製造販売業の許可・製造業の登録を更新する場合の期限と手続きを、法令と東京都健康安全研究センターが公表している情報をもとに整理します。

許可も登録も5年ごとに更新が必要

医療機器の業許可・登録の有効期間は、いずれも5年です。

業態 有効期間 根拠
医療機器製造販売業許可(第一種・第二種・第三種) 5年 薬機法 第23条の2第4項/施行令 第36条
医療機器製造業登録 5年 薬機法 第23条の2の3第3項/施行令 第37条の7
医療機器等外国製造業者登録 5年 施行令 第37条の13
医療機器修理業許可 5年 施行令 第54条

ここで実務上の注意が1つあります。法律の条文には「5年」と書かれていません。

薬機法 第23条の2第4項は「第一項の許可は、三年を下らない政令で定める期間ごとにその更新を受けなければ、その期間の経過によつて、その効力を失う」と定めるだけで、年数は政令に委ねられています。その政令が施行令 第36条の「五年とする」です。製造業の登録も同じ構造(法第23条の2の3第3項+施行令 第37条の7)で5年です。法律と施行令をセットで読む必要があります。

条文が定めているのは「更新を受けなければ効力を失う」ということです。有効期間が切れた許可は、行政から通知が来るかどうかに関係なく失効します。

更新申請は満了の約2か月前に出す

東京都健康安全研究センターは、更新申請の時期を「許可期間終了日の約2ヶ月前」と案内しています(製造業の登録更新も「登録期間終了日の約2ヶ月」)。

この目安には根拠があります。標準処理期間が製造販売業許可の更新で20日、製造業登録の更新で15日(いずれも土日祝日・年末年始を除く)とされており、土日を除いた20日はカレンダー上のおよそ1か月にあたるためです。差し戻しの可能性も考えると、2か月前でようやく余裕が生まれます。

実務では、許可証に記載された満了日から逆算して3か月前に着手しておくと安全です。準備中に変更届の出し忘れが見つかることがあり、その処理に時間がかかります(後述)。

東京都の提出先・提出方法・手数料

項目 内容
提出先 東京都健康安全研究センター 広域監視部 医療機器監視課 医療機器審査担当
所在地 東京都新宿区百人町3-24-1 本館1階
受付時間 月曜日から金曜日(祝日・年末年始を除く)午前9時から午前11時30分まで
提出方法 窓口またはオンライン申請。郵送による申請は扱っていません
標準処理期間 製造販売業許可の更新:20日/製造業登録の更新:15日(いずれも土日祝日・年末年始を除く)
主な添付書類 許可証(登録証)の原本。事務所や製造所の場所を移動した場合は配置図・平面図

受付が平日の午前中だけである点は見落とされがちです。窓口に行ける日が限られるので、担当者の予定を早めに押さえてください。

手数料は東京都の「医薬品医療機器等法に関わる手数料について」に掲載されており、更新は新規より低く設定されています。

申請の種類 更新 (参考)新規
第一種医療機器製造販売業許可 142,200円 146,200円
第二種医療機器製造販売業許可 120,500円 128,500円
第三種医療機器製造販売業許可 77,200円 92,900円
医療機器製造業登録 29,200円 38,200円

製造販売業と製造業の両方を持っている会社は、更新のたびに両方の手数料がかかります。許可の種別ごとの違いは医療機器製造販売業の第一種・第二種・第三種の違いで整理しています。

よくある誤解:業許可の更新とQMS適合性調査は別物

「5年ごと」が2か所に出てくるため、業許可の更新とQMS適合性調査を同じものだと思っている方がいます。別の制度です。

業許可・登録の更新 QMS適合性調査(定期調査)
対象 業(製造販売業者・製造所そのもの) 品目(承認・認証を受けた医療機器)
周期 5年 承認取得後5年ごと
根拠 法第23条の2第4項・第23条の2の3第3項 法第23条の2の5第6項/施行令 第37条の21
提出先(東京都の場合) 都(健康安全研究センター) PMDA・都道府県・登録認証機関(品目による)

QMS適合性調査は、承認を受けようとするときに加えて「当該承認の取得後三年を下らない政令で定める期間を経過するごと」に受けなければならず、その期間は施行令 第37条の21で5年とされています。基準適合証の有効期間も同じ5年で(法第23条の2の6第2項)、登録認証機関が行う認証品目の調査も5年です(施行令 第39条)。

つまり、業許可を更新しても、品目のQMS適合性調査を受けたことにはなりません。逆も同じです。調査の流れはQMS適合性調査とは|対象・時期・準備するもので解説しています。

更新の前に確認しておきたい4つのこと

更新申請そのものは、許可証の原本を持って窓口に行くだけの手続きです。時間がかかるのはその前の社内確認です。

1. 変更届の出し忘れがないか

責任役員や総括製造販売責任者の交代、事務所の移転は、変更から30日以内の届出が必要です。許可証の記載と現状が食い違っていると、先に変更届を出すことになります。手続きは医療機器製造販売業の変更届|東京都で届出が必要な変更・期限・提出方法で整理しています。

2. 許可証の原本が手元にあるか

更新には許可証の原本が必要です。しまい込んだまま所在が分からなくなっている例が実際にあります。早めに現物を確認してください。

3. 総括製造販売責任者が在籍し、要件を満たしているか

許可の種別に応じた資格要件を満たす人が不在の状態は、許可の要件を欠いた状態です。後任のあてがないまま退職の話が出た場合は、更新以前の問題になります。

4. 製造業の登録も同時期に切れていないか

製造販売業と製造業を同時期に取得した会社は、更新時期も重なります。製造業の登録手続きは医療機器製造業の登録申請|東京都の手続き・必要書類・期間で解説しています。

まとめ

  • 製造販売業許可・製造業登録の有効期間は5年(法第23条の2第4項・第23条の2の3第3項+施行令 第36条・第37条の7)。条文に「5年」の文字はなく、法律+施行令のセットで読む
  • 更新しなければ、期間の経過によって効力を失う
  • 東京都の案内は許可期間終了日の約2ヶ月前。標準処理期間は20日(製造業登録は15日)
  • 提出は窓口またはオンライン。郵送は不可。受付は平日の午前9時〜11時30分
  • 更新の手数料は第一種142,200円・第二種120,500円・第三種77,200円・製造業登録29,200円
  • 業許可の更新とQMS適合性調査は別制度。一方を受けても他方の代わりにはならない

更新を機に品質マニュアル・手順書が実態と合っているかを見直す会社も多くあります。QMS省令に沿った文書の一覧はQMS省令・ISO13485の手順書一覧で整理しています。

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